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001 ポッポ 002 ピジョン 003 ピジョット 004 ピチュー 005 ピカチュウ 006 ライチュウ 007 メリープ 008 デンリュウ 009 ヒマナッツ URL URL URL URL URL URL URL URL URL URL URL URL 011 キマワリ 012 オタチ 013 オオタチ 014 フシギダネ 015 フシギソウ 016 フシギバナ 017 ヒメグマ 018 リングマ 019 マリル 020 マリルリ 021 クラブ 022 キングラ― 023 キャモメ 024 ペリッパー 025 パチリス 026 ハネッコ 027 ポポッコ 028 ワタッコ 029 コロボージ 030 コロトック 031 ホーホー 032 ヨルノズク 033 オドシシ 034 イトマル 035 アリアドス 036 ブイゼル 037 フローゼル 038 グレッグル 039 ドクロッグ 040 ポチエナ 041 グラエナ 042 ズバット 043 ゴルバット 044 クロバット 045 ドガース 046 マタドガス 047 イシツブテ 048 ゴローン 049 ゴローニャ 050 ズガイドス
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艦隊これくしょんに登場する艦娘の誕生(進水)日を登録したカレンダーになります 公開Googleカレンダー iCal形式(icsファイル)
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登録日:2014/07/31 Thu 11 55 01 更新日:2022/12/11 Sun 17 48 23NEW! 所要時間:約 34 分で読めます ▽タグ一覧 NOCO たわわ陽炎 スポ根 ファミ通文庫 ライトノベル 小説 所要時間30分以上の項目 横須賀 第十四駆逐隊 築地俊彦 艦これ 艦これメディアミックス項目 艦隊これくしょん 陽抜 陽炎 陽炎、抜錨します! 陽炎抜錨 駆逐艦 駆逐艦(おんな) ここで引いたら駆逐艦( おんな )じゃない! 『艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!』は、DMM.com提供のブラウザゲーム『艦隊これくしょん』のメディアミックス作品の一つ。 単行本レーベルはファミ通文庫。作者は『まぶらほ』『けんぷファー』等を手掛けた築地俊彦で、イラストはNOCOが担当。単行本は全7巻。 3~5巻、並びに最終7巻は通常版の単行本の他に、小冊子付属の特装版も刊行された。 【概要】 【あらすじ】 【世界観】 【登場人物】◆第十四駆逐隊 ◆横須賀鎮守府 ◆呉鎮守府 ◆リンガ泊地 ◆大湊警備府 ◆幌筵泊地 ◆佐世保鎮守府 【概要】 『艦隊これくしょん -艦これ-』のメディアミックス作品の一つであり、小説作品の媒体では実質初陣を切って発表された。展開時期は2013-2015年。 主人公は陽炎型駆逐艦一番艦「陽炎」、そして彼女を含めた第十四駆逐隊の6人の駆逐艦。 基本的に駆逐艦目線かつ、作者の作風でもあるのか戦艦や空母は駆逐艦にほとんど関わりを持たないという異例の作風を持っている。 艦種が完全にヒエラルキー化した縦社会世界でありその辺りもまた「体育会系的」である。 駆逐艦組がローティーンからミドルティーンの少女コミュニティだとすれば、戦艦・空母組は20代より上の「大人のコミュニティ」の人々と言った感じ、 その為艦種を問わず関わりを持たせるのが好きな人にはこの作品は向かない。 代わりに消耗率の高い過酷な艦種でありながら、実際の「車曳き」を思わせる勇敢で気持ちの良い、駆逐艦と書いて「おんな」と読む少女たちの物語が展開されている。 メインキャラに死亡者は出ないものの、その裏では多くの犠牲者が出ていることを匂わせる描写、 戦艦や空母に比べて駆逐艦の死亡率は高い、年端もいかない少女を兵器として戦わせる倫理観の問題など、舞台背景にはブラックな要素が多い。 しかし、メインとなる艦娘たちは皆心に熱いものを秘めた前向きな性格であり、 過酷な世界観はスパイス程度に、艦娘たちの軽妙なやり取りや少年漫画的な友情を楽しめる王道スポ根物語と言える。 後述のキャラ紹介の通り、本作では「複数の鎮守府が有り、それぞれに別な提督が在任している」設定になっている。 他の作品では鎮守府は一つで提督も一人しかいなかったり、提督自体は複数でも同じ鎮守府内に居るケースが多いが、 本作では鎮守府間の提督の方針やキャラクターの違いを見る事が出来るのも特徴である。 羅針盤やE(イベント)海域などのゲーム内の設定や史実要素を小ネタとして落とし込んでおり、ニヤリとできるかもしれない。 また毎回のように行われる駆逐艦同士での拳で語る殴り合いや、深海棲艦へのインファイトはこの作品の名物でもある。 ちなみに、企画当初は吹雪に第六駆逐隊という当時からゲームの方で人気を博していた面々を主役にする予定だったが、 既に進行中だった別メディアミックスと布陣が被っていたため(*1)、代わりに陽炎型と睦月型を勧められて現在の形になったとのこと。 【あらすじ】 呉鎮守府から横須賀鎮守府に突然異動となった駆逐艦娘「陽炎」は、転属早々第十四駆逐隊の嚮導艦(駆逐隊の指揮艦)を任されるが、 そのメンツは一癖も二癖もある問題艦が集まった「寄せ集め」駆逐隊だった。 笑いあり涙ありの、陽炎の奮戦の日々が始まる。 ※以下、作品内容のネタバレを含んでいるので注意。 【世界観】 社会情勢 舞台は三浦半島、横須賀、呉など日本と同じ地名を持つ島国(国名は明言されていない)。 これまでの戦いにより防衛ラインは押し上げられ本土近海で深海棲艦が発見されることは稀になってはいるが 深海棲艦により大陸との海上交通網が封鎖されているため物資不足は深刻であり、 牛肉や甘味が貴重品であるなど艦娘の船団護衛をもってしても物資情勢は依然として厳しいままである。 技術レベルは現代日本とそう変わらず携帯電話やスマートフォンが普及しているが 機密保持の名目で艦娘は外部との連絡が制限されており、手紙でのやりとりが主流となっている。 なお、この世界でも広島にはカープとサンフレッチェがあるらしい。 深海棲艦 10年ほど前に世界中の海に突如出現した正体不明の敵性存在。 海を通る船舶および海上を飛ぶ航空機を問答無用で攻撃し、事実上世界の制海権を握っている。 一説には古来からの沈んだ船の怨念が形を持ったものと言われている。 艦娘 深海棲艦に対抗するため人類が開発した特殊な装備を扱うことができる女性たち。 装備は一揃え纏めて「艤装」と呼ばれており、各艤装ごとに適正が合う人間にしか本来の力は発揮できず、 適正のない者が使えばただの服とガラクタに成り下がる。 またゲームで言う所の装備に相当する追加の艤装類は他の艦でも使い回し可能だが基本の艤装(服など)は他の艦娘では使えない。 同型艦なら調整を行えば他の艤装と合わせることもできるようだが、設備が必要なため現場での交換は不可能。 艦娘は艤装を装着している間は特殊なフィールドで守られているため通常の人間よりもずっと丈夫であり、 加えて着ている服が「装甲」として受けるダメージを軽減するため人間サイズでありながら軍艦と同等の耐久力を持つ。 武装も人間サイズではあるが通常兵器と同等の破壊力があり、駆逐艦が片手で持つ小口径砲でも建造物を容易に破壊できるだけの威力がある。 背部に背負う「缶」で推力を発生させ、足に装着し浮力を発生させる「主機」から出力することで推進しており、主機が破壊されると沈没する。 元は普通の人間で、志願制で様々な検査の末に適性を認められた者だけが艦娘候補となり、 江田島での基礎訓練を終えた後に各々の適正の合った艤装が与えられ、以後はそれまでの名前を封じて艦名を名乗ることになる。 軍属として給料も出ており食事は三食支給、定期的に休日もあり制限はあるものの外に出ることも許されている。 定年は特に定められていないが、本人の希望もしくは傷病により再起不能となった場合退役し、艦名と装備を返還した上で元の生活に戻れる。 艦娘に志願するにあたっての動機は、主に深海棲艦に対する義憤もしくは食うに困った末の選択肢であることが多く、 場合によっては提督の身内が艦娘として活動しているケースも存在する。 艦娘は時折過去の映像のフラッシュバックや記憶のフィードバックのようなものが発生することがある。 これは艤装にかつて在った艦の魂が宿っているためと噂されているが、 世論の批判をかわすなどの目的のため艤装の製造過程などの詳細は艦娘本人にさえも明かされていない。 ゲームの方には「疲労度」のシステムがあるが、小説においても赤色や黄色といった形で艦娘内輪のスラングとして用いられている。 目の充血などといった形で具体的な兆候として表れる場合もあるらしい。 ちなみに近代化改修や改造などといった作業は、各鎮守府に務める人間の技師さんによって行われる。 妖精さん?そんなファンタジックなものはない。 これら綿密な設定もあってか、所謂プレイヤー間の「My鎮守府設定」談義における艦娘=人間説の最右翼とも言えるのが本作であり、 そういう話題で盛り上がった際には『陽炎抜錨』の名前が挙げられる機会が多い。 鎮守府 艦娘たちの前線基地であり活動拠点。 寮は戦艦、航空母艦、巡洋艦、駆逐艦と艦種ごとに分かれており、大型艦ほど人数が少なくなるため相対的に待遇が良くなる傾向にある。 特に駆逐艦は圧倒的に人数が多いので相部屋が基本で待遇はあまり良くない。 なお、駆逐艦寮は大人数で利用する為か浴場の大きさだけは他の寮より大きい。 なお他メディアミックスにも言えることだが、作中に出てくる鎮守府及び泊場は全て実在した基地名(及び艦これサーバー)を元にしている。 【登場人物】 主に作中で台詞付きで登場している人物を紹介。 直接登場していない人物・本編外に出番が割り振られている人物は「☆」を併記する。 ◆第十四駆逐隊 横須賀鎮守府に転属した陽炎が嚮導艦として任された駆逐隊。 鎮守府でのはぐれ者を集めた部隊のようで、どの艦娘もどこか一癖ある事情を隠している。 実際の歴史での第十四駆逐隊は太平洋戦争中には空席となっており、それを活かしたものだと思われる。 陽炎 陽炎型駆逐艦1番艦。主人公。 呉から横須賀に転属してきた駆逐艦娘。着任早々第十四駆逐隊の嚮導艦を任される。呉では第十八駆逐隊に所属していた。 陽炎型の長女らしく、明るくて努力家。 当初は第十八駆逐隊のアクの強さ、纏まりの無さに投げ出しそうになるが、持ち前のリーダーシップで駆逐隊を纏めあげ、艦娘として成長していく。 誰にでもすぐ「可愛い」「好き」という癖があり、天然のたらし気質とも言える。 呉の不知火は深く通じあっている相棒で、横須賀に移ってからもよく手紙を描いている。 彼女が横須賀に来ると聞いた時は周りが呆れるほどに舞い上がっていた。 2巻で行方不明になった不知火を救出するために第十四駆逐隊全員で「改造」を受けている。 時折挟まれる描写から艦娘になる前は相当荒んだ環境にいたことを想像させる。事情があってバイトも出来ず料理全般と接客も苦手。 艦娘になる前の本当の名前は不知火のみに教えているという。7巻ラストでは曙と別れ際に本名を明かし合った。 呉での新人時代では史上最低の訓練成績を叩き出した落ちこぼれだったが、 神通の猛訓練と持ち前の努力により立派に一人前の駆逐艦へと成長。 一方内心どこかで死ぬほどキツい訓練を求めてしまうほどの訓練ジャンキーとなっている。 本編1巻の少し前、予想だにしていなかったまさかの文化祭代表の一人に選ばれる。 本人は向いていないと言ったが次第に熱が入り、不知火達の制止すら耳を貸さなかった。 張り切りすぎて仕舞いには熱を出して倒れてしまったり。 6巻では第十四駆逐隊と共に一時的に佐世保鎮守府へ転属に、さらに秘書艦に抜擢されてしまう。 前線での戦術的な観点での戦いとはまた勝手の違う、戦略的な観点からの戦いを経験することになる。 イラスト担当のNOCO氏の意向か、挿絵や表紙に描かれる彼女の姿は原作ゲームに比べても胸部装甲が明らかに増し増し。 ぶっちゃけ十四駆のメンバーでは潮の次点レベルのサイズを誇っている。 曙 綾波型駆逐艦8番艦。1巻のヒロイン。所属は横須賀鎮守府で元第七駆逐隊。 とにかく口が悪く常に不機嫌そうな、全方位ツン娘。 当初は駆逐艦の仕事もバカにしているひねくれっぷりで、陽炎とは度々衝突していた。 その一方で操艦や砲撃技術など艦娘としての能力は非常に優秀であり、不知火曰く「天才」。 技術は文句なしに優秀だがメンタルに弱点があり、仲間の危機などに際するとパニックに陥りやすい。 元は任務に忠実で、駆逐艦であることを誇りに思う真面目な性格だったが、 ある船団護衛に失敗し惨憺たる被害を出してしまったことが原因でこのような性格になってしまった。 1巻では周りが徐々に仲間として打ち解けている中、頑なに歩み寄ろうとしなかった。 その後演習中に発生した深海棲艦による船団襲撃を、自身のトラウマを払拭するためか単艦で飛び出しあわや轟沈しかける。 沈没寸前のところを陽炎ら第十四駆逐隊に助けられ、遂に陥落。 この一件で陽炎に対しては中々本音を言わないものの信頼するようになり、 以降はすっかり素直になれない態度を周りからからかわれてムキになる、弄られ役と化している。 陽炎が元相棒である不知火の名前を出すと不機嫌になる節があり、2巻では不知火と実戦形式のキャットファイト(という言葉では生ぬるい戦いだが)を行った。 過去編では嫌々ながら騙されながら呉の文化祭に赴く。 鬼怒にしっかりと報復したり騙されたことに怒りながらも、潮らに止められて呉に留まる。 案内役の霞と口論になり、翌朝のランニングでも罵り合いながら張り合ったりと真っ向からぶつかる。 騎馬戦では売り言葉に買い言葉で禁句を言ってしまい、騎馬戦を挟まずに殴り合いへと発展させる口火を切った。 皐月 睦月型駆逐艦5番艦。佐世保鎮守府からの転属。元は第二十二駆逐隊所属。 陽炎の横須賀鎮守府でのルームメイトとなる。 トレーニングが好きで座学が苦手な筋肉バカ。常に体を鍛えてるのは睦月型の艦としての性能の悪さを補い、 ひいてはその性能への自身のコンプレックス、正確には同じ睦月型ながら優秀な二十二駆の同僚文月への劣等感の解消のためだった。 また以前は、体が弱い上体力が少なく、どこか諦めたように過ごしていたことが明かされ、 自分でもどうして艦娘になれたのか不思議なくらいだったらしい。 魚雷から自分を守ってくれた霰を見て、自分の虚弱を旧式の睦月型艦のせいにしていてはいけないとトレーニングを決心した。 明るく人懐っこい性格で、第十四駆逐隊の中でも陽炎と早くから打ち解けていた。同室ということもあり、陽炎との絡みは多い。 3巻では陽炎の代わりに不知火の手紙を受け取っていた。 最近は飲めもしないビールを飲むのにはまっており、鳳翔からよくビールを貰っては部屋に隠している。 長月 睦月型駆逐艦8番艦。皐月と同じく佐世保鎮守府からの転属かつ元第二十二駆逐隊所属。 古風な喋り方をする艦娘。霰を一方的に気に入っている。 初期の第十四駆逐隊は長月と霰の二人だけであり、その間に入ってこようとした陽炎に対しては当初激しく拒絶していた。 1巻の時点では威勢のいい武人めいた言動は実は虚勢。 睦月型の性能の悪さのために砲撃がド下手であり、霰を守ると言って側にいたのも、実際は腕のいい彼女を頼っていただけだった。 これは皐月同様真の原因は文月への劣等感だったりする。 そのコンプレックスを克服した2巻以降では大きく成長し、言動に見合った頼もしさを身に付けた艦娘となった。 同型艦の皐月とは同じ佐世保からの転属であるが、当初は「筋トレマニア」扱いし疎遠だった。 しかし第十四駆逐隊で組んで以降は徐々にコンビを組む機会が増えている。 現在ではそのリーダー適性から、陽炎不在や部隊を分けた際には代わりの嚮導艦を任せられるようになっている。 過去編では、日々の砲撃訓練でも底辺層の成績しか出せない自分を嫌悪し、 武士然とした性格が暗くなっていっそ陰鬱とした後ろ向きだった様子が描かれた。 やる気に技術が伴わないためネガティヴになっていて、二言目には「とうとう左遷か」と嘆き出しかねないほど。 呉の騎馬戦で危うく駆逐艦玉の下敷きになりそうだったところを霰に助けられたことや、 皐月を魚雷から守ってみせた霰の雄姿に感化された過去が描かれた。 潮 綾波型駆逐艦10番艦。曙と同じく元第七駆逐隊所属。 お節介扱いされながらも曙をかばう弱気な艦娘。隠れ巨乳。そのせいで大抵14駆メンバーに胸ネタで弄られてるが。 曙がプライドを踏みにじられた船団護衛任務で唯一無傷であったことが、彼女に対する負い目となっている。 普段は臆病な面もあるが、芯は強い。 1巻で曙を救出した以降は臆病さも改善され、曙があまりにツンな態度を取った際は強気に釘を刺すなど、むしろ彼女を尻に敷いている面も出るように。 「スクラップが喋りました、どうしましょう」 過去編ではツッケンドンしていた曙とどうにかして付き合おうと苦心していた様子が描かれた。 半ば騙すように曙を呉に連れて行き、到着早々に世紀末豆まきに巻き込まれる。 復讐鬼と化した駆逐艦から逃げる鬼怒に鬼の面を被せられ、鬼と認識されて豆をぶつけられる。 無論抗議したが「お前のような巨乳の駆逐艦がいるか」と(なまじ呉に浜風という前例がいて、別の場所で行動してことも災いした)一蹴され逃げ回るはめに。 外せばいいのに「勝手に捨てたら悪いです……」とどこか抜けた良識を発揮した。 料理が上手で、5巻では食材がホタテしかない状態で様々なホタテ料理を作ってみせた。 6巻の最後に決意を固め、7巻にて「改二」となった。 霰 朝潮型駆逐艦9番艦。 元は呉の第十八駆逐隊所属であり、陽炎とは旧知の仲。先に横須賀に転属になっていた。 作中文章では小柄と書かれていたが、挿絵では背は陽炎の次に高い。彼女しか被ってない煙突帽子の分を差し引いても。 超絶無口。第十四駆逐隊に回されたのは駆逐隊の割り振りの際に黙っていたせい。呉から離れる際も喋らなかったので陽炎は霰の行方を知らなかった。甘党。 普段はあまり目立たないが、比較的新鋭の朝潮型であるため砲撃の腕は非常に優秀。 第十八駆逐隊時代よりも腕前は上がっており陽炎を驚かせた。 そのためかつては長月に依存されていたが、自身もそれに甘えているところがあったと言っている。時々それをネタに長月をからかう一面も見せるようになる。 過去編では相変わらず無口だが、騎馬戦で見知らぬ長月や皐月を助けたり、敵の攻撃から二人を守ったりと活躍。 皐月に向かう魚雷を主砲で早期爆発させる高度な砲撃を披露した。 その在り方は長月と皐月に多大な影響を与え、陽炎着任前までの彼女らの言動を築き上げるに至った。 ◆横須賀鎮守府 1-2巻の物語の舞台。 戦艦・空母などの主力艦が揃った比較的規模の大きい鎮守府。 提督 横須賀鎮守府の主。陽炎を呉鎮守府から引き抜いた張本人。 E海域への対策などでよく他の鎮守府から一時転属扱いで艦娘を引き抜くことが多く、呉鎮守府からは借りパク司令官として噂されているとか。 何かと艦娘に触る、戦艦や空母や駆逐艦である雷に甘えようとするなど、一見すると典型的なセクハラ提督のダメ男。艦娘の足の裏を見ることとうなじを舐めることが好きと語る変態。 その一方で曙を気にかけていたり、命令違反した第十四駆逐隊を不問にする、時には汚れ役を一身に背負って艦娘の嫌われ役になるなど、まともな面もある。 本人は「俺は艦娘と仲良くなるために提督になったんじゃない」と語っている。 指揮官としては作戦の前には十分な資材を確保してから臨むなど、周到な準備を好む慎重派。 多くの艦娘の命を預かる提督というものは、まともな神経では務まらないとリンガの老提督は語る。 その老提督によれば、着任当初は艦娘とまともに話せないほど臆病だったらしい。当初は失敗を繰り返し、秘書艦である鳳翔に何度も支えてもらっていた。 恐らくその時に多くの艦娘が犠牲になったと思われ、よく艦娘に触っているのも身体に触れることで彼女たちが「生きている」ことを確認したいためだという。 愛宕 高雄型重巡洋艦2番艦。横須賀鎮守府の現秘書艦。 金髪で巨乳、ふわふわとした喋り方の艦娘。 何かと駆逐艦娘に「お姉ちゃん」と呼ばせようとしている。本人は大真面目のようだが、駆逐艦にとってはもはや脅し文句と化している。 ちなみに呼ばされた犠牲者は転属したてで事情をよくわかっていなかった陽炎のみ。 もっとも最近は上手くはぐらかされたりするので阿武隈に「お姉ちゃんと言ってくれなくて(14駆メンバーは)冷たい」と愚痴ったりもするが。 陽炎曰く「お色気担当」。この世界でも彼女の画像が大量に出回っているらしい。 言動や見た目に反して聡く、気配り上手の実力者。陽炎にとっては隠し事のできない相手。 1巻では第十四駆逐隊のピンチに、高雄と金剛型を引き連れて救援に現れた。 普段は掴みどころのない性格であるが、姉妹艦である高雄のことは大切に思っており、彼女を救出した陽炎に珍しく涙を浮かべてお礼を言っていた。 提督のセクハラにはやんわりとかわして釘を刺しているが、気遣う素振りも見せたりもする。 高雄 高雄型重巡洋艦1番艦。 愛宕とは違って常識的。また、以前は高雄も秘書官を務めていた事もあったが、現在は妹に譲り前線での活躍に注力している。 普通人ゆえに横須賀鎮守府の癖の強い人材相手には苦労が絶えず、あまり余裕の無い面がある。お陰で胃薬が欠かせないとか。 妹艦である愛宕の助けになろうと決めており、 また艦尾を損傷しながら終戦まで生き残った「重巡洋艦高雄」の記憶からも、全ての艦娘に生きていて欲しいと願うなど、根は強い意思を持った勇敢な人物。 2巻では旗艦として摩耶・妙高・五十鈴・不知火を伴ってE海域への強行偵察を行う。 その撤退戦で不知火と共に壮絶な死闘を繰り広げ、度重なる航空攻撃と潜水艦からの雷撃により重傷を負うが、 不知火を助けるためボロボロの身体で、戦艦タ級の口内に魚雷の弾頭を突っ込み起爆させるという壮絶な戦法を行い相討ちとなる。 しかし、奇跡的に生存しており、陽炎らに救出され一命を取り留めた。 鳳翔 鳳翔型空母。穏やかな性格で母親のような雰囲気を持つ。 鎮守府の最古参で、ほぼ半退役状態だという。鎮守府内で小料理屋を営んでおり、評判が良い。 横須賀提督の初期の秘書艦であり、しばしば彼を支えていたらしい。彼女が現役だった頃の鎮守府は深海棲艦への対策も手探りな故に、もっと殺伐としたものだったとか。 皐月は彼女からよくビールを頂戴しているが、これは常に死と隣合わせの艦娘、特に撃沈率の高い駆逐艦に、せめて酒が飲みたいのなら自由に飲ませてあげたいという彼女の気遣いがある。 金剛四姉妹 金剛型戦艦の金剛・比叡・榛名・霧島の四人。鎮守府の主力。 概要に前述した通り戦艦・空母は「雲上人」であり、彼女らの出番はあまり無い。 1巻で第十四駆逐隊の演習を見学に来ていた。 船団襲撃への救援は一度は「羅針盤が狂った」ため失敗するが、二度目の第十四駆逐隊の救出作戦に愛宕・高雄らと共に救援に現れ、瞬く間に敵艦を撃沈してみせた。 摩耶 高雄型重巡洋艦3番艦。E海域強行偵察のメンバー。対空戦が得意。 威勢の良い姉御肌的な性格で、面倒見が良い。 姉である高雄の安否は彼女も心配しており、彼女を助けた陽炎たちに借りを返そうとしていた。 五十鈴 長良型軽巡洋艦2番艦。E海域強行偵察のメンバー。 軽巡であるため、駆逐艦である不知火のことをよく気にかけていた。 妙高 妙高型重巡洋艦1番艦。E海域強行偵察のメンバー。 落ち着いた性格。偵察中に敵艦隊の主力である南方棲戦鬼と遭遇してしまい負傷。摩耶・五十鈴と共に撤退する。 夕雲、巻雲、長波、高波、朝霜、早霜、清霜 夕雲型駆逐艦の新人たち。呉で第十四駆逐隊と合流し、そのまま横須賀へと転属する。 短縮訓練しか受けておらず航行もままならないレベルのド新人だったが、陽炎を始めとする第十四駆逐隊から徹底的に駆逐艦としての手ほどきを受けることに。 7巻発売当時で最新の夕雲型だった「風雲」もいるが、艤装に必要な「艦の魂」が未だ見つからなかったため一人就任できておらず、7人が気負ってしまう原因となっている。 那珂 川内型軽巡洋艦3番艦。横須賀鎮守府水雷戦隊の長で、説明不要の「艦隊のアイドル」。 戦闘中の激戦区であっても満面のパッション気質で指揮を牽引するなど生粋のカリスマ気質で、戦闘とそれ以外の差があるものの、ふざけた事によるミスは全くない、誰もが頼れる軽巡洋艦。 7巻での殲滅作戦出撃に際して改二となっている。 鳥海 高雄型重巡洋艦4番艦。殲滅作戦に際しては、夕雲型の駆逐艦たちを率いて南方海域に出陣した。 理論派の気質。 島風 ☆ 島風型駆逐艦1番艦。小説本編では連装砲ちゃんが訓練のターゲット代わりに引っ張り出されたのみで本人の出番は無し。 4巻特装版の冊子収録の漫画(著:BLADE)で登場し、訓練機材不足に悩む第十四駆逐隊を相手に連装砲ちゃんのぬいぐるみの使用権を駆けた勝負を挑んでいる。 朝潮 ☆ 朝潮型駆逐艦1番艦。第八駆逐隊所属で、小説中では7巻で名前のみ言及される。 ギンバイ上等の駆逐艦娘たち、もとい「駆逐艦マフィア」が寄り集めた商品を均等に分配するブラックマーケット市場を開き、取り仕切っている模様。 ◆呉鎮守府 陽炎が元いた鎮守府。 陽炎・不知火・霰と同じ第十八駆逐隊のメンバーである霞や、陽炎型の黒潮・雪風も呉鎮守府に所属している。 ゲリラ戦のような豆まき、騎馬とは名ばかりの殴り合い合戦を行う特異な鎮守府でもある。 豆撒きのゲリラ化は駆逐艦娘の暴走が主な原因だが、騎馬戦は観客・主催・提督ら全員が公認の殴り合いである。 というかギャラリーが一番盛り上がっているあたり乱闘騒ぎを見たいがためにやっている節がある。 提督 横須賀の提督とは同級で仲が良く、何かと張り合っているらしい。 気心の知れた間ではあるものの、最近陽炎を始め横須賀に艦娘を引き抜かれていることには流石に不満気。 尤も本人も大淀を横須賀から引き抜いているので人のことを言えた立場ではないが。 不知火 陽炎型駆逐艦2番艦。かつての陽炎のルームメイトで相棒。2巻のヒロイン。 冷静で無表情、目つきが鋭くドスの効いた声が特徴で、劇中でも怖がられている。深海棲艦のどてっ腹に穴を開けるのが趣味(by陽炎)。 常に丁寧語を崩さないが、陽炎相手には軽口めいたことを言うことも。食事の際も手袋を外さない。 呉では着任直後から秘書艦を任せられる優秀な駆逐艦で、砲雷撃戦の技術も非常に高い。 陽炎にとっては何でもできる頼れる相棒であり、困った際は彼女のことを思い浮かべることが多い。 呉所属であるため本人が劇中に登場する時間は少ないが、陽炎がことあるごとに彼女の名前を出すため存在感は大きく、 最終7巻でも最後の最後で陽炎を迎える役目を務めるなど、メインキャラクターを除けば全7巻唯一の皆勤賞。 2巻では「E海域」への対抗のため、一時横須賀鎮守府に転属する。 その際に陽炎を元の呉鎮守府に帰ることを提案しており、第十四駆逐隊の反発を買う。 そのため曙と賭けとして演習での対決を行う(しかも曙がお互い一発だけランダムで発射する様実弾を混ぜていた)、 最終的に弾薬を撃ち尽くし拳での殴り合いになるが結果は引き分け。 普段は冷静な反面キレた時は恐ろしく、一度頭に血が上ると止まらない。 E海域攻略戦では高雄を雷撃し重傷を負わせた潜水艦に激昂し、潜望鏡を掴んで引きずり出し、 ゼロ距離で砲撃を加えて粉々にしてしまうという艦娘ならではの斬新な対潜攻撃を見せていた。 その敵艦隊との死闘で消息不明となるが、陽炎ら第十四駆逐隊の働きで救出される。 その後は短いながらも第十四駆逐隊のメンバーと親睦を深め、呉に帰っていった。 3巻では西方海域の攻勢に参加しており、終盤熊野らと共にリンガ泊地救援に駆けつけた。 黒潮 陽炎型3番艦。 ほんわかとした関西弁娘。 「夏潮」等の姉妹艦が未実装のため(*2)、彼女が所属する第十五駆逐隊は黒潮一人のみ。寮でも一人部屋。 それでも駆逐隊の立派な一員なので神通の訓練生。敬語で話す際は標準語になる。 よく陽炎と不知火らの部屋に遊びに来ていたようで、情報力に定評がある。 完全にイメージだけでたこ焼き屋に任命された際、「こういう言葉遣いやからって、たこ焼き作れるとかは偏見ちゃうか?」とこぼした。でもやっぱり作れるらしい。 血気盛んな駆逐艦にしてはそれらしいところは見せなかったが、球磨を木から落とすためにチェーンソーを持ち出すあたりしっかりあの二人の姉妹艦である。 本人と示し合わせたとはいえ皆を説得して止めようとする神通を取り押さえようとするなど度胸も相当。かなり戦々恐々とはしていたが。 霞 朝潮型10番艦。 指令駆逐艦。呉に所属して長いらしく、神通や大淀に霰や陽炎の転籍について意見を求められるほど。前回の文化祭代表駆逐艦でもある。 基本ツンツンしてはいるがかなりのお節介で、「自分でやりなさい」と言っても聞かれれば無意識に答えてしまうなど相当。 ただし上司不信は変わらないようで「クズ提督」呼ばわりしたらしい。本人曰く噂の「クソ提督」艦娘よりはマシ。 昔は仲間を嫌い一人でいることを望んだようだが、何かを経て現在の仲間思いな性格に。 自分と似ていると感じた曙を説得しようとしたが、あの調子なので上手くいかず喧嘩ばかりに。 騎馬戦では曙と相打ち。 陽炎のジゴロっぷりや不知火のクーデレ、霰の無口に呆れながら過ごしていた。 無口過ぎる霰を心配しながらも横須賀への転籍に賛成。「お姉さんのようですね」と言われて赤くなった。ちなみに霰の方が年上。 陽炎の件でも「出来れば横須賀には、ずっと探したままでいていて欲しいです」と本音をぽつりともらした。 神通 川内型軽巡洋艦2番艦。呉鎮守府の第二水雷戦隊旗艦で、陽炎と不知火の上官。 一見気弱そうに見えるが、容赦の無い訓練を行う鬼教官。 本人が登場しない巻でも、毎度陽炎らによってその鬼教官ぶりに触れられている。 (例:「陽炎が吐く程の訓練に耐えた不知火にはその倍の訓練を課して吐かせた」「気絶するまで訓練、気絶したら叩き起こして訓練」等々) 海が荒れていればいるほど笑顔になり、快晴で穏やかな波になるほど悲しむ。 ただ、その厳しさは駆逐艦たちを誇りに思う故であり、勇敢で面倒見も良いとのことで、陽炎は憧れの人物として尊敬している。 呉所属の駆逐艦たちが優秀との評判が多いのも、おそらく彼女の指導の賜物なのだろう。 豆撒きで日頃の鬱憤をぶつられる、と燃えに燃える駆逐艦でさえ、彼女を前にすると威圧されて何も出来なくなる。 あの不知火ですら例外ではなく、陽炎に攻撃を押し付ける始末。一応言っておくが豆をぶつけるのが目的の行事であり「遠慮しないでください」と本人からも許可が下りている。 熊野 最上型重巡洋艦4番艦。第七戦隊所属で旗艦。神戸生まれのお洒落な重巡。 2巻で名前のみだが鈴谷・三隈と共に横須賀に一時転属したことが語られており、3巻で登場。呉所属のため以前から陽炎とある程度の面識はあった。 お嬢様な口調だが、戦闘では優雅かつ苛烈で頼もしい面を見せる。鈴谷からは「お嬢様なのに雄々しすぎる」とのこと。 「鈴谷さえいればどれだけの敵がいようと切り開いて見せます」と相方への信頼は厚い。 第七戦隊はよくぶつかったり道に迷う癖があるらしい。そのため西方海域からの帰りに「道に迷って」リンガ泊地の救援に現れた。 鈴谷 最上型重巡洋艦3番艦。第七戦隊所属。 軽い口調だが気さくな性格。相方の熊野とはよく軽口を叩いているがその絆は深い。 三隈 最上型重巡洋艦2番艦。第七戦隊所属。普段は第八駆逐隊(朝潮型)を護衛につけているらしい。 相方の最上は秘書艦に抜擢されているため(最上型姉妹の「借りパク」に備えての采配)、最上型の中で唯一呉に残っている。 陽炎らと熊野・鈴谷と出撃していた北方海域からの帰り道に潜水艦に狙われ、陽炎に庇われ小破する。 その借りもあって、リンガ泊地の危機には不知火・熊野・鈴谷・飛龍・蒼龍らと共に救援に駆けつけた。 明石 工作艦。呉鎮守府所属だが、一時横須賀に転属している。 海上でも軽く修理を行える、艦娘修復のプロ。北方海域からの帰投時に損傷した三隈と陽炎の修復を行う。 その後、曙に(半ば強引に)応急処置の方法を教えていたが、この一件が後の第十四駆逐隊の命運に影響する結果となった。 大淀 大淀型軽巡洋艦1番艦。4巻(前日談)の時点で呉鎮守府の秘書官を務めている艦娘。 元々は横須賀鎮守府所属だったが、呉の提督にヘッドハンティングされる形で呉に移動となった経緯を持つ。 ネジ一本、ワッシャー一つの場所すらも把握している、と評される程の高い管理能力を持つ極めて優秀な秘書艦。 もっとも更に「実は二人居るのでは」という任務娘の仕様に基づいたネタが有ったりする。 軽巡洋艦である為神通同様駆逐艦娘には畏れられているとの事。 伊勢、日向、龍驤、祥鳳、最上 4巻で登場。鎮守府付近で敵潜水艦を発見するが駆逐艦達に祭りを楽しんでもらうために あえて対潜能力に優れた駆逐艦を呼ばず、かろうじてながら対潜戦闘が可能な自分たちだけで解決しようとした。 その一件を通して駆逐艦一同から贈られた名誉駆逐艦の記章は彼女たちの誇りであり、 伊勢は本来必要の無いものをつけてはならない戦場でさえも胸から外さないでいる。 千代田 千歳型軽空母2番艦。深海棲艦の殲滅作戦に際して呉に派遣され、配属直後に艦隊に組み込まれる。 雪風 ☆ 陽炎型駆逐艦8番艦。 『陽炎、抜錨します!』では彼女自身の出番はないが、地の文や他の人物の台詞で示される描写だけでも 「抽選会では強運を危惧され出張任務に回される」「射的屋台では百発百中で、更に追加料金で代打ちサービス開始」 と相変わらずの幸運艦ぶりが語られ、大淀からも「感性で動く天才」と評されている。 ◆リンガ泊地 3巻で第十四駆逐隊が転属となった泊地。本土と西方海域の中継地点。 庁舎は粗末な作りで、艦娘は叢雲とあきつ丸のわずか二人しかいない。 深海棲艦は殆ど出ず、気候は穏やかで泳げる海もあるが、食料は蛇などを調達し雑魚寝することになるためここで休息を取ることは艦娘からは賛否両論とか。 碌に娯楽も無く、庁舎の門をくぐる蟹の数を数えることがリンガで二番目の楽しみだとか。 1番目は叢雲曰く「聞かない方が良いと思う」とのこと。エロい事を想像するのは致し方なし 実は中間拠点である故に、西方海域攻略艦隊を孤立させるために深海棲艦に狙われており、提督と叢雲はその情報を掴んでいた。 上層部は苦渋の決断ながら西方攻略を一刻も早く終わらせるために全力を注ぐことを決定し、リンガは無防備の状態で半ば見捨てられることになる。 残された二人は第十四駆逐隊とあきつ丸を追い払ってからここで果てるつもりだったが、陽炎の説得を受け、泊地を守るため共に戦うことを決める。 提督 リンガ泊地の提督。皺が多く、軍帽から覗く髪は白い初老の男性。 よく釣りをしており、他の鎮守府の提督と違い形式張った上下関係は殆どなく、隠居老人のような雰囲気がある。 かつては多くの鎮守府を転属して戦績を積んでおり、叢雲はその最初の秘書艦。 多くの提督や艦娘を見てきた年季の入った人間らしく、色々な事を知っている。 泊地での戦いが終わったあと、横須賀で退役式を行い引退。陽炎や叢雲はじめ多くの艦娘に見送られ去っていった。 その後は6巻で再登場、隠居後は呉近郊の実家で年金生活を送りながら畑仕事に精を出す日々を送る姿が描かれている。 叢雲との仲も継続している様子。 叢雲 吹雪型駆逐艦5番艦。 クールで落ち着いているが、どこか気怠げな態度を取る駆逐艦。よく細長いマストを持ち歩いている。庁舎のソファーでしか寝られない。 やたらと陽炎らにこの泊地で休息を取ることを進めており、泊地の不自然な様子を追求されてもどこ吹く風だった。 老提督の初期の秘書艦であり、多くの艦娘を見てきたベテランの駆逐艦。そのため実力も当然高い。 長年の付き合いである老提督とはお互いの深いところを理解しており、熟年夫婦のような雰囲気すらある。 どこか冷めた態度は深海棲艦にリンガごと滅ぼされるであろう運命を受け入れているからであり、当初は戦場になる前に第十四駆逐隊とあきつ丸を逃がすため追い出そうとしていた。 リンガを襲撃しようとした強襲揚陸部隊との戦いで、輸送ワ級を仕留めるも大破する。その状態でも二つしか無い泊地のドックがふさがってしまうと入渠しようとしなかった。 更にその大破した状態から痛み止めを飲んでまでリンガを守るため出撃、ボロボロになるものの陽炎と協力し最後の輸送ワ級を仕留め勝利した。 戦いの後はリンガ秘書艦の任を解かれ、横須賀鎮守府に所属。呉への派遣任務の際には元老提督の実家で時間を過ごしている模様。 余談だが、外見上は陽炎達とさほど変わらない年頃だという地の文と、老提督との付き合いが長いベテランという設定の齟齬とも言える記述から 3巻発売当時は読者間で「艦娘になった人間は年を取らなくなってしまうのでは?」と物議を醸した。 とはいえ、『陽炎、抜錨します!』における艦娘は明確に「人間」扱いで、作中を通して人外めいた描写がされた事は一度もないため 案外見た目若作りした20代とか、比較的幼い頃から艦娘をやってるとか、その程度の理由に過ぎないと思われる。 あきつ丸 揚陸艦。生真面目な性格。 陸の人間として訓練を積んでいたが、賑やかしのつもりで艦娘適性試験を受けたら合格してしまい、直後にリンガに送られた。 そのため鎮守府というものをよく知らない。蛇を捌いたりできるサバイバビリティが有るためか後にこの人みたいな扱いをされるハメに……。 ゲーム内スペック同様「低速」であり、装備も乏しいため、艦隊戦では頼りない。改造を受けていないため飛行甲板も使えない。 しかし、陸での戦いは滅法強く、叢雲から預けられたマストを槍として使い、泊地に上陸しようとした輸送ワ級3隻を瞬く間に倒してしまった。 戦いの後、一時的に横須賀鎮守府に転属になり初めての鎮守府の雰囲気を味わうが、その後は思い出の地であるリンガへと戻った。 ◆大湊警備府 5巻で幌筵に向かう途中で荒天に見舞われた第十四駆逐隊一行が立ち寄った警備府。 地元の名物はコロッケ。 提督 ☆ 大湊の提督。直接の登場はせず凉風の台詞で寒中水泳をして風邪を引いて寝込んでいる(そのため陽炎達と会っていない)事と 幌筵提督の後輩であり涼風を離婚調停の際に借りまくってる事に文句を言ってる事が記されたのみ。 涼風 大湊の秘書艦。江戸っ子調のアクセントで話すが口調は普通。 駆逐艦だてらに秘書官を勤めているだけあり、書類仕事はお手のもの。 元の所属は佐世保であり現在の提督についてくる形で大湊に異動してきた。 その為元佐世保組である皐月や長月の名は知っていた(面識は無かったようだが)。 ◆幌筵泊地 5巻で登場する最北端にある新興の泊地。 拡充が予定されているようで敷地も広く取られており資材や装備の備蓄も多い。 艦娘のID認証による艤装管理システムなど呉や横須賀にも無いハイテク設備が試験運用的に投入されているが 肝心の艦娘の配備が遅れており駆逐隊の1つもなく、現在は大半の人員を他から借りる形で運営している。 近場で採れるホタテが美味しいが、採れる食料がホタテやホッケ等の北の海産物位しかないためそれ以外は大半が缶詰になるのが難点。 提督 中年の男性。軍内ではベテランらしく各地を転々としていたが 小さめの場所ばかり回っていたため厳密な意味で「提督」になったのは幌筵が初めて。 非常に顔が広く、主要戦力である戦艦すらも借用し、全国から戦力派遣を募ることのできる人脈を持つ。 一応呉の提督の後輩であり呉の提督は彼にたくさん借りがあるとの事。 陽炎のことを「お嬢ちゃん」と呼ぶため彼女からはあまりいい印象を持たれていない。 指揮官としては情報を大事にして綿密な調査を行った上で作戦に臨むが この方法が最善であると判断したならば博打にも打って出る大胆さも併せ持つ。 以前は大湊に在住しておりマイホームも買ったが、離婚した妻に財産分与として全財産とともに渡してしまった。 娘は艦娘になったらしく今でも元妻から娘の安否確認を求められているが、機密であるため話していない。 阿武隈 幌筵の秘書艦。本来は彼女が横須賀所属の第一水雷戦隊の旗艦であるが、今は那珂に代理を任せている。 威圧感のない軽巡らしからぬ態度に陽炎たちからは内心舐められ気味だったが、 自分の行動をひけらかさないだけで実際は自分の仕事をストイックにこなす優秀な艦娘であり、 軽巡に求められる部下となる駆逐艦への親愛と時に厳しい命令を下す冷徹さを兼ね備えている。 飲酒の習慣がある様(特に年齢関係で咎められて無い辺りから成年であると思われる)で、部屋には洋酒が隠してある。 ちなみに14駆メンバーが前の所在地の噂を喋るシーンが有るがその内容は史実の「軽巡洋艦阿武隈」のそれと同じだったりする。 まるゆ 元は裕福な生まれのようで自らの意思で深海棲艦との戦いを望み艦娘になろうとしたが、親の意向で陸軍に入ることに。 それでも艦娘になるという望みを捨てきれず艦娘適正試験を受けた結果、極めて珍しい潜水艦適正を認められ艦娘となる。 貴重な潜水艦娘である彼女にしかできない仕事も多く戦略的には重要なポジションではあるのだが 輸送艇である自身の戦闘力がほぼ皆無であることから理想と現実のギャップを感じている。 作中では示唆のみで直接明言こそされないものの、恐らくは彼女が幌筵泊地提督の艦娘になった実娘と思われる。 木曾 元は秘書艦をしており各地を転々としていたが、まるゆと出会ったことで彼女は見ていないとダメだと感じ彼女の世話をするために秘書艦を辞めた。 うっかり気の抜けた態度を取った陽炎に懲罰半分の訓練を課そうとするが、その時訓練に飢えていた陽炎からはその数倍の訓練を求められたためドン引きした。 やはり14駆メンバーから前の所属の噂が語られているが、こちらは具体名は実艦が最後に籍を置いた舞鶴のみ。 6巻では重雷装巡洋艦に改装して再登場。その雷撃力は大きな力となった。 ◆佐世保鎮守府 西の守りの要となる鎮守府で、皐月と長月にとっては古巣。 6巻で陽炎が一時的に秘書艦を務めることになる。 提督 佐世保鎮守府の提督。容姿はベテランの外科医の様な感じと評されている。 部下の意見を積極的に採用しつつも部下のミスの責任は自分が背負う覚悟を持ち、 手助けが必要だと判断した場合にはしっかりとフォローを入れるなど気配りがうまい。 職務においては良識的な一方プライベートでは女グセが悪いらしく、愛人がいたことがあり、離婚歴が最低でも3回以上とすさまじいことになっているが 本人曰く「結婚するなら一般人」とのことなので艦娘に手を出してはいない……はず。 またリンガ提督によると「任務などを後回しにされるとすぐくさるのがいかん」との事。 那智 佐世保鎮守府の前任秘書艦。 凛とした武人肌で前線での戦いを好むが、秘書艦業務もこれはこれで勉強になると考えている。 慣れない秘書艦業務に四苦八苦する陽炎を前任者として補佐しつつ教え導く。 姉妹仲が良く、特に姉の妙高には頭が上がらない模様。 ちなみに彼女が秘書官に選ばれた理由は随分と失礼なものだったりする。 文月 佐世保所属の駆逐艦娘。同じ駆逐隊である皐月、長月と行動を共にすることが多かった。 舌足らずな口調で見た目も人一倍幼げだが艦娘としてはなかなか優秀で、佐世保でも上位に入る砲撃の名手。 初登場は4巻の過去編だが、5巻・6巻と連続登場かつ挿絵に2回登場と出番に恵まれている。 白露 数少ない秘書艦経験のある駆逐艦娘。溌剌としたノリが良く明るい性格。 決済書類の束に自分以外の名で消灯時間の短縮を陳情する書類を紛れ込ませるという手口から 陽炎にかつての自分と同じ深夜に鎮守府を抜け出しての禁制品(主に甘味)持ち込みの常習犯であると見抜かれ、 買い出しに行ってきた帰りを待ち伏せされる。白露の深夜抜け出しを見逃すことと 報酬として間宮の羊羹を渡すことを条件に、時折陽炎の代理として秘書艦業務を行うことになった。 川内 佐世保鎮守府の水雷戦隊を率いる軽巡洋艦娘。第三水雷戦隊の長。 4巻の鎮守府祭での騎馬戦で佐世保所属の駆逐艦たちに発破をかけており、6巻では随伴艦隊として睦月型駆逐艦たちを率いて出撃したほか、 秘書官仕事に熱が入り過ぎて熱くなり過ぎている陽炎に一時休養すべきではないかと諭す(ただし軽巡の威厳による釘指し込みだが)など面倒見の良さを多く見せている。 神通の様に常時威厳オーラを放つタイプではなく必要な時だけ放つタイプの様なのでやはりその辺の対人関係調整能力などは1番艦の姉な分、上と思われる。 ただ、発破のかけ方が「夜じゃないけど心は夜戦!」であるあたりやはり夜戦好きであるようだ。 時雨 白露が雪風と同等と太鼓判を押す佐世保駆逐艦のエース。控えめで物静かな性格。 その評価は伊達ではなく手負いの状態だったとはいえ見事戦艦棲姫を撃沈してみせた。 追記・修正は、駆逐艦娘に一発殴られてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ※作品や作者、キャラクターなどに対する愚痴や誹謗中傷、文句の類は禁止されています。守られない場合IPの規制やコメント欄の撤去などの処置がされますのでご注意ください。 ▷ コメント欄 [部分編集] 5日過ぎましたのでリセットと警告の追加をしました -- 名無しさん (2018-12-13 19 38 18) 陽炎抜錨自体はキリのいい完結だったと思ってるけど、艦これの小説媒体の公式展開が現在ほぼ完全に途絶えちゃったのが正直残念。本作のほか鶴翼の絆とか独創的なノベライズとか好きだったんだけど…… -- 名無しさん (2022-07-13 15 11 11) 名前 コメント
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228 :名無しさん@ピンキー:2014/05/05(月) 13 10 04.10 ID 4rPLFqZq大奥のようなドロドロ鎮守府も書いてみたいんじゃ^~ 駆逐なのに寵愛される娘や戦闘以外おざなりな娘の対立とか好きなんや 229 :名無しさん@ピンキー:2014/05/05(月) 13 26 52.01 ID cn2q6T1J 228 大奥でこれ思い出した 「連合艦隊を率いる“提督”に逆らうつもりか? 私がやれといったらやるのだ。 抱き合え」 だが問題点は抱き合う二人がガチレズになってしまうこと いかん、危ないあぶないアブナイ…… 230 :名無しさん@ピンキー:2014/05/05(月) 14 51 42.25 ID +gFKE0ZJ 228 赤城「美味でございます~」 231 :名無しさん@ピンキー:2014/05/05(月) 16 55 45.59 ID IUobVuZUだれがおにぎりな娘と言った? 232 :名無しさん@ピンキー:2014/05/05(月) 17 08 28.75 ID u5ZUEqvfそれはわたしのおいなりさんだ 242 :か~ぼん:2014/05/07(水) 01 46 55.23 ID fBO35W2t大奥みたいな鎮守府できたら 春日局ポジはだれだろう・・・ 243 :名無しさん@ピンキー:2014/05/07(水) 09 16 44.38 ID bxAioUj0 242 有力候補はみんなのお艦こと鳳翔さん 他は赤城かねぇ 条件的には包容力が第一かな 皆に一目置かれる「この人に言われるんじゃ仕方ないな」程度の指導力も要るね 245 :名無しさん@ピンキー:2014/05/07(水) 13 12 09.16 ID iehskVG7 243 病弱な提督に七色飯をこさえるお艦か 246 :名無しさん@ピンキー:2014/05/07(水) 13 20 46.56 ID grpbdGTQ人にらみで側室を黙らす加賀 先代に先立たれ若くして未亡人になりながらも面倒見がよい翔鶴 247 :名無しさん@ピンキー:2014/05/07(水) 13 55 08.58 ID bxAioUj0うーむ、どうしても空母系になるのな やっぱり落ち着いた大人の女性イメージが強いね 戦艦だと、かろうじて大和がそんな感じか? 巡洋艦は・・・妙高と矢矧ってとこか 駆逐艦? 電一択でしょう!(錯乱 248 :名無しさん@ピンキー:2014/05/07(水) 20 09 29.50 ID TCZVOtVC雷を除いてカカァ役の勤まる駆逐艦がいてたまるか 252 :名無しさん@ピンキー:2014/05/08(木) 00 02 30.92 ID kqc79XWk 248 雷は私の母になってくれたかもしれない女性だ 253 :名無しさん@ピンキー:2014/05/08(木) 01 00 48.92 ID uzeqE2g1総帥は最近パチモン出てきてるんだからもうちょっとしっかりしてください
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※独自設定があります ※捨て艦について触れている箇所がありますが、このSSはその是非について言及するものではありません 「提督、お茶が入りましたよ」 「ああ、ありがとう」 のどかな4月のある日、鎮守府内の執務室にて行われた提督とその秘書艦大和とのやりとり。 いつものように執務室の机に向かい、いつもの湯飲みでいつものように大和が淹れたお茶をすする。 いつもと違うところを上げるとすれば、鎮守府内が静まり返っていること、現在この提督の指揮下の艦隊には大和以外の艦娘がいないこと、 数時間後にこの提督は解任されて、二度と戻ることはないということだけだった。 何故、彼がそのようなことになったのか、原因は数週間前まで遡る。 数週間前、深海棲艦の拠点攻撃の任務がこの艦隊に下された。 しかし、包囲されつつあることでより士気の高まった深海棲艦は頑強に抵抗し、攻略は思うように進まない。 それどころか、物資を目的とした商船の拿捕等、近隣海域での海賊行為が激化する結果となった。 これに対し功を焦った軍上層部が彼に命じたのは「低価値装備を用いた陽動作戦」という回りくどい言い方による、「捨て艦」であった。 しかし彼は「徒な戦力の損耗は好ましくない」という理由から度重なる命令を拒否、それまで火力とコストのバランスを考えて編成していた艦隊を コスト度外視の決戦艦隊へと再編成し、なんとか海域を制圧した。 しかしいくら功績が大きくとも、命令無視による独断専行が許されたわけではなく、 「軍人として不適格」という理由で査問にかけられ、解任が決定した。 この決定の裏にあるのは上層部の命令を無視した上で戦果をあげたことに対する妬みか、 自分たちの下した命令が現場に広がることへの口封じか。 ともあれ、それまで艦隊に所属していた艦娘達は転属の決まったものから艦隊を離れていき、ついに大和だけが残ることとなった。 「……いい天気ですね」 窓から差し込む暖かな日差しを浴びて、大和が呟く。 「本当だな」 静かに提督が答える。 「そう言えば、あの日もこんな天気だったな」 あの日、大和を旗艦に据えた決戦艦隊を編成した日を提督は思い出していた。 艦隊が再編成された日、 消費するコストに見合わないとして長い間出撃を見合わせられてきた自分が何故旗艦なのかと大和は提督に尋ねた。 艦娘というのはあまりにも特殊な存在である。 いつの頃からか世界中の海に現れ、 商船への海賊行為や、沿岸および海上の施設への破壊活動を繰り返す深海棲艦とよばれる謎の生命体。 人類はこの新たなる脅威に対し、当初は通常の駆逐艦やフリゲート艦等の艦艇及び航空戦力によって対処を試みたが、すぐにこれらは中止された。 理由はあまりにも非効率であったから。 大きくとも人間と同程度の大きさしかない深海棲艦に対しこれらの兵器はあまりにも大きすぎたし、数が多い深海棲艦に恒常的に対抗するにはコストがかかりすぎる。 「たまに撃つ 弾がないのが 玉に瑕」という川柳があるが、これは世界各国共通であった。 各国はこれに対処するため、より小型のミサイル艇や哨戒艇の使用を試みた。 より小回りが利き、運用コストが安いこれらの艦艇はいくつかの国では成功をおさめたが、 日本のような広大な領海、長大なシーレーンを有する海洋国家では航続距離の短いこれらの艦艇だけでは不十分であった。 こうした問題の解決のために採用されたのが艦娘であった。 深海棲艦と同様に水上の移動を可能とし、コストは従来の方法より格段に安く、人間と同様の大きさのため通常の艦艇で輸送することにより航続距離の問題も解決できる彼女達は瞬く間に対深海棲艦の主力となった。 もっとも、彼女達の正体については軍上層部の一部以外には極秘とされており、 艤装と呼ばれる特殊な武装を使用できること、深海棲艦と同様の行動ができること、戦闘に関して恐怖や躊躇がないこと等から 人造人間の類ではないかとの説まで飛び出したが、彼女達を指揮する提督も、彼女達自身もその正体を知ることがなかった。 とは言え、正体不明の存在でも味方である以上背に腹は代えられない。 この様に艦娘とはその成り立ちからして安さを求められていた。 そんな中で、重武装の代償にその利点を大きく損なう大和は当然のように冷や飯食いであり、 かつての大和型戦艦がそうであったように、出撃の機会は与えられずにいた。 その大和が、演習にしか出番がないと思われていた大和が突然の旗艦抜擢に驚くのも無理はなかった。 提督はその時、決戦艦隊に対しことの経緯を―彼女達が上層部に殴り込みをかけないように脚色した上で―語った。 その後、彼が着任してから最も士気の高まった艦隊を指揮し、見事作戦を成功させてきた。 帰投した際の大和の晴れやかな顔は、きっと一生忘れないだろう。 その日から今日まで、短い間ではあったが大和は秘書艦となっていた。 「ずいぶんと昔に感じるな……つい最近だったのだが」 「そうですね。本当に……本当に……」 大和は最後まで言葉にできなかった。 からん、と手から空の盆が落ちる。 「どうして!!どうして提督が…!」 泣きながらそう吐き出した彼女を抱き寄せ、提督は子供を諭すように静かに語りかける。 「仕方がないんだ。俺も軍人だからね。命令には逆らえんさ」 「だからって、だからってこんな……」 あまりにも無茶苦茶ではないか。 味方の損失を抑えて敵に勝利する。最小の犠牲で最大の戦果を出す。 司令官としての使命を、この提督は十分に果たしたはずだ。 それなのにこの仕打ちはなんだ。 大和はその不条理に対する憤りでおかしくなりそうだった。 いや、既に少しおかしくなっていたのかもしれない。 「……提督、こんな時に申し訳ありませんがお願いがあります」 涙を拭い、笑顔を作りながら大和は問いかける。 「うん?何だ」 「私は提督のことを忘れたくありません。 それに、私達をただの使い捨ての道具のように扱い、揚句にはそれに異を唱えた提督にひどい仕打ちをするようなお偉いさんにも復讐がしたいです」 「まさか、殴りこむから参謀本部に連れてけというんじゃないだろうな」 提督の問いに大和は首を横に振る 「提督、私を……抱いてください」 「なっ……!!!」 思わず絶句する提督に大和は自らの思いを打ち明けた。 「私たちはただの兵器なのかもしれませんし、提督のように軍人ならばどんな命令でも従わなければいけないのかもしれません。 でもそれでも感情があって、機械のように何も抵抗なく命令を聞くというのは間違いだと証明したいのです」 つまり、艦娘が意思を持っている事の証明。 そして、大和は提督に対しそういう感情を抱いていたのだという証明であった。 「……」 提督は何も言わず、己の発言に頬を赤く染めてはにかんでいる大和を見つめている。 大和は美しい。 おそらく、道を歩いていれば誰もが振り返るほどの美人だろう。 その美人にそんな告白をされたら、断れる男がこの世にいるのだろうか。 「いいんだな?」 「はい。お願いします」 大和が答え終わると同時に二人は唇を合わせる。 柔らかい大和の唇は、提督のそれを包み込むように受け入れる。 やがてその隙間に提督の舌が滑り込み、二人の舌同士がキスをする。 「んっ、んっ……」 艶めかしく音を立ててしばし二人は互いを味わっていた。 やがて提督から静かに唇を離し、唾液の糸が二人の間に引かれる。 提督は唐突に大和を離すと、壁の時計に目をやる。 本部から迎えの憲兵が来るまで、約三十分弱といったところだろうか。 提督は大和に耳をふさぐよう身振り手振りで伝え、 その時計を壁から外してひっくり返して仕掛けられていた盗聴器にあらん限りの大声をたたきつけると、 「舐めんなよ。こういうのは青葉に嫌というほど鍛えられてるんだ」 きょとんとしている大和に向き直って、時計から引きずり出したそれを踏み潰した。 「もういいぞ」 「あの、それって……」 「俺を監視するためだろうな。憲兵共め」 大和ははっとして、それから真っ赤になって俯いた。 盗聴器があったということは、さっきの彼女の「お願い」は見ず知らずの憲兵に聞かれてしまっている訳で… 「ううぅ……提督ぅ…」 「大丈夫だ。これからの事は聞こえんよ」 もじもじしている大和をずっと見ていたい提督であったが、時間は限られている。 箪笥から何枚かタオルを出して即席の寝床を作ると、白い上着と九一式徹甲弾を外した大和をそこに寝かせる。 提督は己の一物を出すと、仰向けになっている大和にまたがり、豊満な谷間に一物を挟み込む。 状況を察した大和は己の乳房を両手で押さえ、提督のそれを乳房越しに揉むように手を動かす。 むくむくと見る見るうちに隆起していったそれから、不意に白濁液が飛び出し、大和の胸元、喉、顔にかけて飛び散る。 「ひゃっ…!これが……提督の…」 顔についたそれを指で掬い取ると、指の間にぬるりと糸を引く。 しげしげと眺める大和だったが、突然股間に衝撃が突き刺さった。 「ふぁぁっ!て、提督!!ひゃん!!」 いつの間にか胸元から離れた提督が、大和のスカートの中に手を入れ、彼女の秘所をすっと撫で上げた。 指は時々止まり、逆方向に動いたり、同じ個所を往復したりしていて、その度に大和は嬌声をあげる。 「あっ!ひっ、ふ、ぅああっ!」 肩を上下させて荒い息をし、額に光る汗を滲ませている大和は、街の商売女など比べ物にならないほどの色香を放っている。 やがてスカートから出てきた提督の指は、大和のそれと同じように糸が引いていた。 「そろそろ行くか」 提督はそう呟くと、彼女の両足を抱え上げてその真ん中に己の一物を進ませる。 指で十分にならされたそれは、提督の一物をするりと受け入れると、その入り口が嘘のようにしっかりと締め付けてくる。 「うあっ…!提督がっ!提督が入って…」 押し付けられるような異物感に大和は声を上げるが、それでも提督は時々腰を動かし、大和の中に潜り込ませていく。 「んああああっ!!!!」 大和が絶叫を上げ、白いタオルに血が広がっていった。 そこで提督は一度止まり、大和が落ち着くのを待つ。 「はぁ…はぁ…提督、もう……大丈夫です」 大和が股の下から告げたと同時に提督は再度腰を動かし始める。 「はふっ、ああっ!うっ!ああん!」 大和は提督の腰の動きに合わせて、先程より大きな嬌声を上げた。 やがて全てが終わって、大和は心地よい気怠さの中で提督に体を拭かれていた。 「ありがとうございました」 「こちらこそ」 提督に手を借りて立ち上がると、脱ぎ捨てていた服を拾い上げて元のように着ていく。 これで終わり。男と女から提督と艦娘、軍人と兵器に戻る。 やがて現れた憲兵二人のうち一人は耳を抑えていた。 「どうした?耳元で怒鳴られでもしたのか?」 白々しく尋ねた提督に憎々しげな顔を見せる憲兵。 連行しようとした彼らに提督は告げる。 「五秒待ってくれ」 返答も聞かずに隣に立っていた大和に振り返ると、憲兵達には聞こえないような小声で、しかししっかりと告げた。 「さよなら。愛してる」 連行されていく提督の背中を大和は敬礼で見送った。 今度の4月は、彼女が見送る番だった。 終
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タブブラウザ Part13-920 永続罠 自分は手札を二つに分ける。 相手に手札を公開するとき、どちらか片方を選び公開する。 名前 コメント
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現時点での設定考察 ライブラリ モノガタリ キャラクターズ ヨクボウ ギシンとアンキ ライブラリ ライブラリ世界は全ての世界と相互に包括し合っている。(つまりどんな世界ともコラボ出来る) 常に隣に存在するようなものなので、その他の世界はどんな経路からでもライブラリ世界に繋がる可能性を持っている。 逆も然りでライブラリ世界も「モノガタリ」という形でどんな世界とも繋がる術を持っている。 相互関係にあるので融合が始まるとライブラリ世界は現実世界に浸食され、現実世界はライブラリ世界に浸食される。 ライブラリ世界≠データ世界≠夢の世界≠死後の世界and more... ライブラリ世界は一つの概念世界に留まっておらず、多種多様な繋がり方に合わせて形容の仕方も変わってくる。 登場人物がここは死後の世界だと思っていても、ユーザーにとってみればそこはゲームの中の世界でありただのデータである。 互いに同じライブラリという世界に干渉していて同じ物を見ていてもこれだけ認識しているものや、形容するものが違ってくる。 これがライブラリが一つの要素に定まらず要領を得られなかった理由であると考えられる。 ライブラリを一つの概念世界に位置付けて考えるべきではない。 モノガタリ 複製と分岐を繰り返している。(参考:書架ト赤) 選んだ未来と選ばなかった未来の数だけ分岐する。 分岐の数だけifとして自分と同じ存在があの世界に存在している。(参考:アリス、もう一人) 言わば、その存在から分かれた存在。 自分と同じナイトメアに出会う理由もその為。 キャラクターズ この素体人形はユーザーがシノアリスを通してキャラクターを操る為の入れ物。 アイコンが操り人形であったり、防具のアイコンが人形のパーツであるのはその為。 ガチャを引く事で特定の登場人物の話が書かれた本を手に入れる。(ジョブという情報) それをユーザーが自在に操ることが出来る媒体の素体人形に入れることでユーザーは「アバター」を獲得し、それを通してライブラリ世界に干渉することが出来る。 また、アバターは1体のアバターを雛形にして形成しているということから、メタ的な視点で見ると全てのキャラクターズの身体は元は同じ身体から出来上がっていると考えられる。 ヨコオ氏が過去にDOD3のインタビューで答えていた設定だがシノアリスにも同じメタ思想が生きている可能性がある。 ヨコオ氏: アコールは最後にこちらへ向かって「ありがとうございました」と言いますが, これは単純な「DOD」のオマージュじゃなく, 「こっちの世界」のことを認識しているんですよ。 我々がいる現実も,あまねく存在する分岐のひとつだということを示唆しています。 そこから紐解くと彼女が何を狙っていたのかということが, うっすらと分かってくるようにできています。 (中略) ああいった言動にも,すべて意味があるんです。 あくまで隠し要素みたいなものですが。 普通ゲームはプレイヤーが終わらせるものですが, 「DOD3」はアコールが最後に映像を切るじゃないですか。 アレはお互いに「こっちが現実だ」と認識しているという演出です。 キャラクターズのキャラワードの意味 ヨクボウ 魔晶石が欲望の結晶。 この魔晶石を与えられたナイトメアは結晶化し暴走する。 魔素と似ている。 ギシンとアンキ DOD3コラボにてアコールがギシンとアンキの事を「B変異体」と呼称している。 ディレクターのヨコオ氏もこの両者は裏の話として関係性があるとインタビューで答えている。 ギシンとアンキは「B変異体」である為、アコール達と戦いを繰り広げて来た本来のBとは違う模様。
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『クズ提督の矜持 前編』 1 肌を刺す冷たい風がスカートを揺らし、手に持つ金属の錨が皮膚にくっ付くようだった。 プリーツがパタパタと、まるで旗がなびくかのような音を発して、武装の隙間を通り抜けた空気は不気味な唸りを上げていた。 黒く静寂な海の中、それら以外に物音はまったく感じられず、それでも耳を澄まし目を凝らしてどこかに隠れているはずの敵を探す。 骨まで染み入る寒さにしかし、雷は動じず海面に立っていた。 これまでの敵の圧倒的攻勢により、既に艦隊の半分は何らかの損害を被っていた。 後方、特に手ひどくやられていた響と電は遠くに退避し、中破した暁も最前線には立たせられない。実質的に雪風島風以外、 第六駆逐隊のメンバーの中で夜戦を敢行できるのは雷のみとなっていた。 耐えに耐え、そしてようやく訪れた日没は逆転の勝機足りえるものだ。今はただ、確実なチャンスをひたすらに待つ。 ようやくたどり着けたキス島の最果て、貧弱な包囲艦隊を取り逃がすことなど絶対にあってはならなかったのだ。 「二時の方向! 探照灯!」 島風の声が闇に響く。痺れを切らした敵艦は、遂にその姿をさらけ出した。 光の筒が右往左往し、雷達を照らそうとその光線を輝かせる。光の根元に向かって、三人の艦娘は一斉に動き出した。 動いた影に感づいたか、敵も何やら散開しだしたようだった。だがまだ完全に姿を捉えたわけではなく、 こちらは隠密行動を維持したまま接敵していく。足の速い島風は敵艦隊の裏側に回りこむように大きく迂回し、 残った二隻は正面をジグザグに進んでいった。 やがて敵ヘ級軽巡は、ようやくライトの円の中に正面二隻を入れる事ができた。向けられた砲身、そしてマスクに隠れた眼光。 だが後方に突如発生した水柱が、その注意を逸らしたのだった。 島風から発射された魚雷は、すぐ近くを航行していたト級軽巡へ着弾した。火炎の中悲鳴がこだまし、水面が真っ赤に光り輝く。 致命的な隙を逃すほど、雪風も雷も柔ではない。雪風による、息もつかせぬ四連装魚雷の一斉発射。 その爆風に身を炙られているへ級へ、雷はすぐさま接近、組み付いた。 爆ぜる火炎と轟音。赤と白のフラッシュが、闇夜を切り裂くような残光を刻む。 ゼロ距離からの十二・七糎連装砲による砲撃は、防御のために伸ばされたヘ級の右腕をいとも容易く吹き飛ばし、 血と油と破片とを盛大に撒き散らした。 猛烈な痛みにのた打ち回り、水面の波紋を広げていくヘ級。それを意にも介さず、雷は追撃の手を緩めない。 彼女は錨を握りなおすと、まるで野球のバッターのようにそれを後方へと振り被った。風きり音と同時、 振り抜かれた錨はマスクに覆われたへ級の顔面へ見事に命中。バキリという嫌な音の後、 弛緩した体はゆっくりと海中へ引きずり込まれていった。 「あぁ! フラグシップが! 待ちなさいよ!」 後方、瀕死のト級に引導を渡し終えた島風は、しかし全速力で後退しているもう一隻のへ級を見た。 持ち前の足で追いかけようとする彼女を、しかし雷は引きとめる。 「こっちも三隻やられてる。もう追いかけるのは無理だわ!」 見ると、たしかに残してきた三隻とは大分離れたところにいた。これ以上の追跡は、完全にはぐれてしまう可能性を発現させる。 島風は舌打ちをして、どんどんと小さくなる敵艦の背を睨みつけていた。 ・ ・ 報告書を読み終わって、提督は何とか落胆の気持ちを覆い隠した。何よりも全員帰還できたことが喜ばしいのだから、 結果などどうでもいいはずなのだ。自分は椅子に座ったままの癖にそのような気持ちを抱くのはとても不謹慎で失礼なことだと、 彼はそう思ったのだった。 席を立って、ぼろぼろの艦娘たちに近づく。表情から容易に読み取れる悔しさを何とか解きほぐしてやりたくて、 一人ひとりの頭を優しく撫でていった。 「よく頑張ったよ。全員帰って来れたんだから充分だ」 次は負けないんだからとか、少し運がなかったのですだとか。提督の掌を受け入れながら、それぞれが思い思いに口を開く。 六人全員を撫で終わると提督は解散を命じて、補給と修復をするよう促した。 皆が続々と背を向けていく中、司令室に最後まで残ったのは雷だった。彼女は提督の机に積まれた書類、 その半分ほどを手に持つと寝具の上に腰掛けた。 「雷、そんなのは後でいい。というより、それは私が全てやっておくから君はさっさと補給しにいきたまえ」 提督は雷の近くによって、そう声をかける。損傷は無くても、出撃の後に書類仕事をさせるほど彼は人でなしではなかった。 だが雷はかぶりを振って、ぽつり言葉を吐く。 「ねぇ司令官。私達って多分もうすぐキス島を攻略できるわよね」 「……まぁ、そうだろうな。今日の報告を聞くかぎり立ちはだかる高い壁の、 そのてっぺんにようやく手を掛けることができたって感じだ」 「……駆逐艦の練度向上計画が始まって、私久しぶりに秘書艦になれて、本当にすっごく嬉しかったの。 それがもうすぐ終わっちゃうんだから、補給なんか時間がもったいなくてしてられないわ」 ずっと下げていた視線を提督に向け、更に続ける。 「今は、司令官と一緒にいたいの」 真摯な瞳が、ほんの僅か潤んでいるように見えてしまった。 どうするべきなのか、提督は考えを廻らした。何も浮かばないでも、とりあえずは微笑んでやって頭を撫でる。 少しでも彼女を満足させてやりたいと、そう思う気持ちは間違いなく本心からのものであった。 雷は目を伏せ、気持ち良さそうに息を吐いた。それからしばらくすると、提督の上着を引っ張って腰に腕をまわしていく。 密着する体の体温と匂いを感じながら、彼女はより深く抱きついていった。 「いつもと立場が逆だな」 苦笑しながらの言葉を聞いて、雷の頬は赤く染まった。 上目遣いに提督を睨む、その可愛らしい仕草に応えるように彼も背中に手を回す。沈黙の司令室には、 しかし暖かい空気が流れだしていた。 「そうだ!」 突如、提督が声を上げた。少し間を離してあげて、雷は続きを促した。 「明日、第一艦隊は臨時で休暇にしようか。少なからず負けたショックもあるだろうし、俺は一日中ここに篭る予定だったからさ。 一緒にいたいなら、応えてあげられる」 それを聞き、雷の顔は途端キラキラと輝く。さっきまでとは違う、明るい声音で彼女ははつらつと口を開いた。 「なら仕事は午前中に終わらせて、午後は一緒にお出かけしない?」 「お出かけ?」 「欲しいものがあるのよ。買い物に付き合って」 「ああ。別にかまわない」 「やったぁ!」 提督を突き飛ばしそうなほどの勢いで立ち上がり、彼女は扉めがけて走っていった。 補給してきまぁすという元気な声は幾分か心に安寧をもたらし、自分までをも愉快な気持ちにさせてくれる。 雷のために。提督は書類仕事に立ち向かう決意をしたのだった。 2 夜、執務室の扉がノックされた。音はやたらに大きく響き、攻撃性さえ感じられる。 少なくとも訪問者の機嫌が良いものでないであろうことは、想像に難くなかった。 入れという言葉の後、扉を開けたのは不知火だった。 それは習慣によるものであったから、提督はさして彼女がここに来たこと自体には驚きもしない。 しかし瞳に映る激情の原因には、皆目検討もつかなかった。 キス島の攻略作戦が始動した際、新たに編成された駆逐艦隊に不知火は選定されなかった。 第六駆逐隊の連携と、あとは単艦の能力の高い雪風、島風の二隻。それはただただ能率を求めた結果の決断であったのだが、 当然面白く思わない艦娘もいるのであった。酷く落ち込み沈鬱した不知火を文字通り慰めるために、 提督はその夜久しぶりに彼女を抱いた。以来、出撃のあった日の夜は必ず閨に訪れるのが、最早新習慣になったのである。 最近は不知火も、この逢瀬を楽しみにしているようだった。だから何か怒らせてしまったのだとしても、 それはキス島攻略関連ではないはずだ。一日を振り返り、海馬を絞ってみてもまったく何も思い当たらない。 「すまない」 とりあえずは謝る。それは提督の得意技なのだが、不知火はますます不機嫌顔になった。 「何がですか」 「怒っているようだったから。俺が何かしていたなら、謝りたい」 「不知火は、別に怒ってなどいませんが」 彼女は提督の机、山と詰まれた書類を一瞥するとくるり背を向けた。慌てて提督は立ち上がり、早足で彼女に近づく。 「お忙しいようなので、失礼します」 「待て」 言うや、一歩前に踏み出した彼女を提督は後ろから抱きしめた。離してください嫌だと言う応酬はしばらく止まず、 しかし目立った抵抗はなかったことから、その言葉が本心でないことは分かっていた。 「なぁ、何に怒ってるんだ。教えてくれ」 頭を撫で諭すように言っても、不知火は首を横に振るだけだった。髪を梳くように指を動かし、頬や顎に手を這わす。 彼女は心地良さそうに目を細め、それでも口だけはひたすら拒絶の言葉を吐いていた。彼女の匂いを嗅ぎながら、 首筋に、或いは髪の中に顔をうずめ、やたらに冷えた体温を感じる。 首を振ったり肩を動かしたり、そういったゆるい抵抗がむしろ興奮を高めるのであった。 しばらくの間そうした後、提督は彼女のわき腹を人差し指でなぞりあげた。 油断しきっていた不知火は突然の刺激に素っ頓狂な悲鳴をあげ、耳元では教えてくれと吐息交じりの言葉が囁かれる。 提督の意図を察したか、不知火の頬には赤みが差してしかしあくまで抵抗はない。 提督は彼女を反転させ、正面を向かせた上で壁に押し付けた。握った手首を持ち上げていって丁度頭上で交差させる。 片手はそれをしっかり固定し、開いたほうの手は首筋を優しく撫で降ろした。 不知火の口から息が漏れた。指が首を降りきると今度は鎖骨が、その窪みや骨の出っ張りが丁寧になぞられていく。 一方耳には口付けがされて、更に可愛らしい輪郭が舐められていったのだった。 喉が震えてしまうのかくぐもった小さな嬌声が、しかし確かに口から漏れ出していた。 「性感帯増えていってるね」 提督の屈辱の言葉に、彼女は睨むことで応じた。その視線、憤怒に隠れた期待の視線を受けて彼は、彼女の服に手をかける。 リボンが解かれ、ブレザーのボタンが外される。 あえて完全には脱がさず、肩に掛かったままにしているのはより辱めるためであった。 不知火の情欲は常にマゾヒスティックな刺激を求めているということに気が付いたのは、実は最近のことである。 ブラウスのボタンを上から外していく。面積を大きくしていく滑らかな白い肌。下着が付けられていないのも提督の命によるもので、 何か怒っていても約束は最低限守るというのは何とも彼女らしい所だった。 胸のふくらみ、谷間、へそ。ボタンを外し終わっても服を開くことはせずに、しばらくそのまま置いてやった。 スカートはホックを外し、容赦なく脱がした。スパッツの下に恐らくもう布はないのであろう、 不知火は膝を交錯させるような体勢でなんとか秘部を隠そうとする。彼女の目には涙が溜まり、 しかしそれはお互いにとって淫欲を高めるだけのツールになっていた。 「怒ってた理由、教えて」 頬を撫で、やんわりと顔を上に向けさせてから提督は再度言った。プライドは既に今までの辱めにより崩されていはしたが、 それでも不知火は頑なに首を横に振る。それは何も、彼女にまだ抵抗しうるだけの気力が残っているからではなく、 むしろこの陵辱されるような興奮をより深く味わいたいためであった。 提督はブラウスの胸元に人差し指を置いた。ふくらみを押したり撫でたりしながら、ゆっくりと指を横へと滑らせる。 あわや桜色の蕾が露出しかけて、しかしすんでの所でぴたりと止める。屈辱に下唇を噛んだ不知火は、しかしそれが悦なのであった。 高ぶりに息が荒くなり、それに羞恥を感じてしまう。 一旦指が離されて、肌の大部分は再び隠される。提督は先ほどまでブラウスに掛かっていた指を、今度は彼女の口へと突っ込んだ。 開かれた口の隙間からは悲鳴があがり、その喉の震えが感じられるようだった。 「どうすればいいか、分かるな?」 目を白黒とさせていた不知火は、この言葉を聞くとおもむろに舌を動かし始めた。 進入してきた指を舐めまわし猥りがわしい音を立てながら、ゆっくりとしゃぶり、吸っていく。 提督も時折指を動かしていって、口腔内を愛撫した。顎や頬が内側から撫でられる度、 彼女の開いた口の隙間からは小さな喘ぎ声が漏れ出す。 唾液が多分に纏わりつくと、それをなるべく零さないように指を口から引き抜いていく。指先から口元にかけて透明な橋が架かり、 しばらくの後、自重でそれは崩れてしまった。 滴り落ちるほどの粘液にまみれた人差し指を、提督は不知火の胸元まで持っていった。怪訝そうな彼女の視線を他所に、 彼はブラウスに包まれた婀娜やかな胸をゆっくりと揉んでいく。指の通った跡は肌色が透けて見えるようになり、 それを見て不知火はようやく、彼のしようとしていることに気が付いたのだった。 「やっ……いやぁ」 普段の姿からは想像もできない声音を聞いて、ますます提督は調子付く。再び口に入れられた指は、 さっきとは比べ物にならないほど無遠慮に口内をかき回した。戸惑う舌の動きなど微塵も気に掛けずに、好き勝手動かし唾液を掬う。 そしてそれが充分に纏わりついたら引き抜いて、まるで絵の具を塗りたくるかのように胸元を汚していった。 何回も繰り返されるとブラウスは粘液でぬるぬると滑りだし、次第に膨らみもその先端も、透けて完全に見えるようになってしまった。 「いい格好だ、不知火。先が尖っているのもよく見える」 あくまで布越しに乳首を撫でながら、提督はそう言ってやった。喘ぎ声混じりに否定の言葉が吐かれるが、 事実がどちらかなのかは明白である。摘んだり押し返したり好き勝手に弄び、否応無しに勃ったそれを知覚させると、 不知火は恥辱に涙を零した。 提督の指が胸から腹へ、そしてスパッツ越しの秘所まで順々に降ろされていった。 厚い布地越しにもそこが蒸れ、盛大に濡れていることは充分察する事ができる。軽くとんとんと陰唇を指の腹が叩いただけで、 彼女は体全体をがくがくと震わせた。 望みどおりに刺激は与えず、あくまで優しく秘部を撫でる。切ないのか、しきりに足を交差させ物欲しげな瞳を提督に向ける。 そんな不知火に彼は再再度、同じ言葉を投げかけた。 「怒っていた理由、教えて」 攪拌された思考では、一体何故意固地になっていたのかさえ、最早思い出せないのであった。 彼女はおずおずと口を開いて小声で語り始めた。 「し、不知火は昼に……第一艦隊が帰還した時、この部屋の扉の前にいました」 「うん。それで?」 「……報告が終わったらしく皆が外に出てきたのですが、雷だけがいつまで経っても出てこなくて、 不知火は、それで……それはきっと、中で司令と雷が何かしているのだと……」 「別に秘書艦と少し書類仕事の話をしていただけだ。彼女もすぐに出て行ったと思うが」 事実ではあるが全容の隠されたその言葉を、しかし彼女は信じたようだった。申し訳ありませんと蚊の鳴くような声があって、 提督はそんな彼女に優しくキスをした。お互いが目を閉じて、相手の唇を味わう。いつしか舌が口を割り唾液が交換されていって、 その甘美な味を堪能していった。 拘束していた腕を解くと同時、提督は不知火のスパッツを強引に脱がした。 全体が粘液で湿りぬめっているようで、露になった太ももの根元辺りは、蛍光灯の光をてらてらと反射していた。 自由になった彼女の手は、提督の股間に張ったテントを撫でていた。潤んだ瞳が、蕩けきった顔が提督に向けられる。 「もう我慢できません。ください。私の中に、入れて……」 甘えた声が耳に入ると、理性はかなぐり捨てられた。 提督は不知火を床へと押し倒した。寝具まで行く僅かな時間さえ、今の彼には惜しく感じられたのだ。 そしてその乱暴さに不知火も興奮を高めていって、抵抗せずにむしろ自分から足を開きさえする。 猛った肉棒が容赦なく挿入されると、彼女はそれだけで絶頂に達してしまう。ほぐれきった肉壷はひたすらに熱く、 腰を打ち付けるたびに、淫らな水音と淫靡な喘ぎ声が部屋に大きく響いていた。焦点の合わない瞳が天井を見つめ、 透けたブラウスに被さった胸が柔らかく上下に震えている。 その淫らな姿が劣情をひたすら駆り立てて、周りがまったく視界に入らなくなった。 相手のことなど気に掛けず、ただひたすら犯していく。細い体躯を強く抱きしめて、遮二無二腰を振っていくと限界はすぐ訪れた。 何も断りも入れてやらず、自身の欲望を中にぶちまけていく。好き勝手に汚されて、しかしそこに幸福を感じながら、 不知火は大きな嬌声をあげていた。 3 鎮守府は今日も晴天であった。 秋の風は海辺だとやはりかなり冷たくて、提督は押入れから引っ張り出したグレイの外套を着込んでいた。 日に当たれば寒さも和らぐが、鎮守府の正門前には残念ながら日なたは無い。目の前に一本だけ生えた松の木を、 彼は恨めしそうに睨んでいる。 集合場所を中ではなく外にしたのは、ひとえに不知火の事を気に掛けたためであった。 まさか昨日あんなことをした後で、雷と二人仲良く外出する様など見せられるわけが無かったのだ。 広い鎮守府内、ばったり偶然遭遇する可能性は低かったが、念には念を入れたのである。 待ち始めて五分も経たないうちに雷はやって来た。普段の戦闘用セーラー服を着ているだろうと予想していた提督には、 走ってくるその姿は意外に映る。 雷は可愛らしい黒のスカートにショートブーツを履いていて、上半身には凝った飾りのあるポンチョが纏われていた。 いい所のお嬢様だと誰が見ても思うであろうその身なりは、そういう方向に疎い提督でさえその気合の入れようを察するほどであった。 「随分可愛い格好だな」 開口一番にそう褒める。少なくともそれは礼儀で義務であろうと彼は思ったし、またその言葉自体も本心のものであった。 「私だって女の子なんだから! おしゃれ位するわよ」 雷は満更でもなさそうに笑顔で答えその場で一回転をした。 その彼女の姿を見ると、普段海で戦っている姿など一切想像できなくなってしまう。 いや彼女が普段戦いに赴く時に違和感がなかったのは、そもそも背中に大仰な武装がなされているからなのであって、 それが外されるだけでもただの女の子となってしまうのだ。 頭を軽く撫でた後、提督は行くかと声をかけた。雷は提督の手を取って、彼のすぐ横を足取り軽く歩き始めた。 雷の言っていた買いたい物というのは殴打用の錨であった。 先の戦闘でかなり損傷したらしく、もう古くなっていたこともあって新調することにしたらしいのだ。 鎮守府近くの大型ショッピングモール。そこの戦闘備品コーナーで可憐な女の子が品定めをする情景というのは、 何ともアンバランスで不似合いなものであった。 「私これにするわ!」 そのフロアにたどり着いておよそ三十分ほどの後、雷は棚に並ぶ錨の内の一つを手に取った。 提督には値札に書かれた値段以外どれも同じに見えるのだが、しかし細かい所で合う合わないがあるのだろう。 彼女はしきりに色々な錨を手に持っては棚に戻すのを繰り返し、その度に唸っていた。何かしらの決着が得られたらしく、 雷の顔から不満や妥協の表情は読み取れない。満足のいく一品であったらしかった。 「俺が買うよ」 雷の手から錨を取る。鈍く光る鋼鉄の塊は想像以上の重量があり、思わず取りこぼしそうになったのをなんとか堪えた。 雷はあわてて提督の手からそれを取り返そうと背伸びした。 「いいわよ! 私のなんだから私が買うわ」 「いつも何もしてあげられてないんだ。たまには俺も役に立ちたいのさ」 言い争いはその後もしばらく続いたが、手に物を持っている方が優勢なのは言うまでも無く、結局折れたのは雷の方であった。 彼女は提督に口惜しそうな視線を寄越し、それでも口元には笑みがあった。 その表情が見れただけで、払った金の分は充分に回収できたのだ。 「私だけだとなんか皆に悪いわよ」 「ここだけの内緒だな。これは」 梱包された錨を手渡し頭を撫で、彼女の言葉に答える。雷は頬を赤くして、ガラス細工を持つように錨を手にした。 にやけるのを我慢できないらしく、彼女の口の端はひくひく可愛らしく動いている。それを見て、提督も思わず笑顔になってしまう。 そのまま帰るのも惜しかったので、二人はしばらくモールの中を遊びまわった。間宮製のアイスを食べながら店を物色して回り、 必要なものがあったらその都度購入した。提督は兼ねてから欲しかった万年筆を安く入手する事ができ、 そのはしゃぎ様に雷は呆れながらも慈母のような目を向けていた。 あるいは趣味じゃない帽子を被ってみてその似合わなさにお互い噴出したり、眼鏡屋のサングラス一つで異様に盛り上がったり。 端から見れば仲のいい兄妹と思われるような様子で過ごしていったのだ。 二人が帰宅の途についたのは夕方、あと一時間もすれば日の沈む時分になってからだった。 海風が心地よく吹いていて、あの独特の潮の匂いをあたりに運んでいる。 アスファルトの道をゆっくり進みながら、言葉少なく二人は歩いた。 提督の右手、握った掌の温かさ。それを感じながら雷は、しかし思い出したくもない忌々しい記憶をリフレインさせていた。 今日のことは本当に楽しく、心から充足と幸福を感じていたのだが、いやだからこそそれは否応無しに脳内で再生されてしまう。 海風は不安感さえ運んだか、彼女は言い知れぬ憂鬱を胸に抱き始めてしまっていた。 「どうかしたのか?」 決して朴念仁ではない提督は、例によって目ざとくそれを感じたらしかった。一旦歩を止め、雷を見る。 彼女はしかし、それに答える訳にはいかなかった。 まさか情事に耽るならもっと声を抑えろなどと言う訳にもいかないのだ。昨日気を利かせたつもりでお茶を手に訪れた司令室。 その扉の前で彼女はその物音を聞いていた。 かねてからこの提督には、誰かしらそういうことをする相手がいるという噂は流れていた。 それを知らない駆逐艦など一人もいなかったし、雷も例外ではない。ただそれが一体誰なのかまでは判明しておらず、 様々な憶測が艦隊には飛び交っていた。秘書の正規空母が怪しいだとか、遠征の引率軽巡が怪しいだとか。 そんな中には確かに彼女の、不知火の名前もありはした。 第一艦隊に選ばれなかったことを慰めるために体を重ねているのだという根も葉もない噂を、雷も食堂で聞いた事がある。 司令室前での物音とそして聞こえた嬌声を、当時彼女は意外なほど冷静に受け止められていた。 やっぱりそうだったのかと言う納得感は、嫉妬やショックよりも先に沸いてきた感情だ。 物事がただ事実として受け入れられたからこそ、今自分の感情をどう処理すべきなのか雷には分からなかった。 雷は提督に顔を向けた。 「ねぇ司令官」 「うん?」 「私、司令官のこと好き」 その言葉は自然に口を割った。恥じらいも何もなく、呼吸と同じように漏れ出した。 一体それを言ってどうしたいとか、そういう打算はまったく無く、ただ発露させたかったのだ。 沈黙。さざ波の音がかすかに聞こえ、場は固まった。かなりの時間が過ぎ、ずっと二人立ち尽くした。 雷には彼が悩むということが理解できなかった。この告白の行き着く先はただ一つなわけで、 それをさっさと言おうとしない提督には怒りさえ沸いてくる。中途半端な優しさというのは、彼の魅力でもあり、 そして酷く残酷な所でもあった。 風の冷たさに意識が向くようになって、ようやく提督は口を開いた。 「もしそれが、俺もお前を愛するようになってほしいという要望だったなら、俺はそれに応えられない」 「不知火さんがいるから?」 その言葉に、驚きに目を見開く。そんな彼の様子を見ると、ますます腹が立つのであった。 誰にも知られていないと思っていたと言うことに、その自分勝手さに冷静な思考が失われていく。 「違う」 彼は言う。それを聞き、雷は握っていた手を離した。 「私、先に帰るから……お願い、ずっと後から来て」 涙は出ず、硬く握った拳の痛みだけが現実的な感覚だった。 4 鎮守府に戻り足の向かった先は、何故か自室ではなく司令室だった。 思考の方はさっきまでの提督の言葉に対するもので一杯一杯だったから、ここにはほとんど無意識的に訪れたということになる。 慌てて方向転換しようとして、しかし一抹の考えが頭をよぎり踏みとどまった。 今、司令室には誰もいないわけで、それは雷の好奇心をくすぐるには充分すぎる状況であったのだ。 罪悪感はあった。だが先ほどの提督からの仕打ちを思い起こすと、ある程度報復したいという気持ちも沸いてくる。 彼のプライベートを覗き込み、その後どうしたいのかまでは考えず、意を決して扉に手をかけた。 戸が開けられると、途端ガタッと何かぶつかったような音がした。その音に雷は吃驚してしまい、思わず体を震わせてしまう。 見ると、提督の机のすぐ脇には一人長身の女が立っていた。その女、不知火はスカートをパタパタとはたいて、 大分焦っているのか視線を猛烈に左右に振っている。 「えっと、何で不知火さんがいるの?」 至極まっとうな疑問に、しかし彼女は普段ではありえない狼狽様で言葉を探しているようだった。 「不知火はっ……その! えぇと……し、司令に用があってそれでし、不知火の、は……」 スカートの裾を気にしながら、ずっと同じことを繰り返し言う。よく観察してみると提督の机の角は少し光を反射していて、 どうやら粘液でぬめっている様だった。それが分かると、かすかに部屋に性臭が漂っている気もしてくる。 雷が悟ったらしいことを敏感に察知した不知火は、顔を青くしながら叫ぶように弁解し始めた。 「違うわ! 不知火は、その別に何もしていない! 本当に、何も……」 「見てない。大丈夫何も見なかったから私。本当に」 沈黙し意気消沈し、不知火は一言小声で謝ったあと近くのティッシュで机を拭いた。 羞恥と後悔によって彼女は窓から飛び降りたい衝動に駆られていて、油断をしたならすぐにでも慟哭、号泣してしまうのだ。 伏せた顔の頬辺りに感じる雷の視線を忍び耐え、最早頭は何も考えないようになっていった。 雷はというと最初、それをある種微笑ましく見ていたのだが、 少し考えてがまわってくると途端に複雑な感情に苛まれ始めたのであった。 不知火が提督の机で自慰をしたという事実ひとつが、色んな解釈で読み取れてしまうのだ。 勝手な想像に勝手に嫉妬したり怒ったりして、そういった連鎖は中々止まないようだった。 処理を終えたらしい不知火がそそくさと退散しようとするのを見て、雷は自身の感情に決着をつけることにした。 恐らくあの提督ではすっぱりと切り捨てる事ができないだろうと、彼女はそう思っていたのだ。 だからこの恋の終焉を告げることができるのは、もう彼女しか残されていないわけで、 そして機会としては周りに誰もいない今が絶好であった。 「ひとつ聞きたい事があるんだけど、いいかしら?」 努めて明るく彼女は言う。 「……何?」 「司令官と付き合ってるの?」 晒してしまった痴態への羞恥心から彼女を見れていなかった不知火は、 その言葉を聞くと目を見開きようやく初めて雷の方へ視線を寄こした。 しばらく彼女は顔を見つめて、果たしてその心の奥の真意を見抜いたか考え込むように目を伏せた。 「そういう関係じゃないわね」 まるで改めて自分で確認したかのように、ぽつり彼女はそう言った。 「え? どういうこと?」 疑問には答えず、いやその言葉自体耳に届いていなかったか、考え込むように下を向いて彼女は部屋を出て行った。 その背中を見送り、やがて思い起こされる事がある。 提督がやってくる前に、雷もそそくさと執務室をあとにしたのだった。 ・ ・ 夕飯が終わり雷は執務室の奥、物置に隠れ潜んでいた。意味深な不知火の発言と提督の真意を見極めるには、 この方法が一番だと思われた。それは明確な背信行為であったわけだが今日諸々の感情、怒りか嫉妬か。 そういった負の方向のものがミキサーにかけられたかのような強い感情の元では、罪悪感など薄れてしまうのだ。 事実を明かしたい一心で、彼女はこの悪事に手を染める。細められた目はひたすらに、机に座って仕事を進める提督を見つめていた。 提督が机についてから二十分は経った頃、執務室の扉をノックする者があった。書類に目を通しながら、提督は入れと言う。 出入り口の方まで視界が無いため雷は最初、訪れた人物が誰なのかまったく分からなかった。 しかし声と、その特徴的な話し方が聞こえるとすぐに特定する事ができた。 「お疲れ。雷に用があるんだけどいるか?」 馴れ馴れしくまるで自室にいるかのように、天龍は提督の側までよって机の隅に腰掛けた。 部屋をぐるり見渡しながら、目的の人物を探し始める。まさか彼女も、雷が物置で提督をこっそり覗き見ているとは予想だにしていないのであろう。 ひとしきり部屋を見渡して彼女の不在を知るや、不思議そうに首をかしげた。 「あれ? いないのか」 「ああ。いない」 「あいつ今秘書艦なんだろ? 仕事ほっぽり出してなにやってんだ」 「今日は彼女、非番だよ。用があったなら後で会ったら伝えるけど」 「いや、別にいいや。てか、たとえ非番でもあいつならお前のとこに引っ付いてると思ってたんだが」 「……少し、色々あったんだ」 「……またそういう類のやつか」 本人を前には言えないような会話を盗み聞く。その行為に、雷は言いようも無い高揚を感じていた。 言葉の一つ一つをしっかし噛み砕きながら、何も聞き逃さないように耳を立てる。高鳴る心臓を抱えて、彼女は目を細めた。 天龍が机を降り、提督のすぐ横に移動する。そのために彼女の姿ははっきりと見えるようになった。 一体何をするのかと期待に胸を膨らました雷には、しかしその後の光景はかなりショッキングに映ったのであった。 天龍はすっと身を屈ませたと思うと、提督の膝の上に馬乗りになった。 それを見、思わず悲鳴が上がりそうになったのを、雷は口を手で塞いでなんとか耐える。 天龍はそのまましな垂れかかり、提督の後頭部に手を持っていく。やんわりと上を向けさせると、躊躇も無く唇が重ねられた。 普段一度も見たことのない表情。どちらかといえばがさつなイメージを抱いていたために、その姿には驚愕であった。 啄ばむようなキスは段々と深いものになっていき、彼女の表情は口元が濡れていくのと比例してどんどんと蕩けていく。 目じりが垂れ、あの鋭い目つきもなりを潜め、甘い吐息の音が離れた雷の耳にまで届く。 提督が天龍の肩を押し、一回それは中断された。 「まだ仕事中だぞ。俺は」 「堅い事言うなよ。オレとはご無沙汰だろう? なぁ、お願いだからぁ」 「駄目だ。頼むからどいてくれないか?」 「フフフ……嫌だ」 まるで恋人同士がするような、そんな睦みあいだった。 現在の状況にも随分驚かされている雷ではあったが、『オレとは』という言葉が何よりも衝撃的であった。 察しのいい彼女はそれだけで大体の状況が飲み込めて、提督の言葉、不知火の言動全てに合点がいったのだ。 「最近は不知火ばっかりかまいやがって」 「すまん」 「反省してるなら行動で示して欲しいんだがなぁ」 天龍の手は提督のシャツにかかり、その細い指が隙間から中に入り込もうとする。しかしそれは彼の手によって阻止された。 「我慢してくれよ。頼む。もうすぐかまってやれるようになるからさ」 「どうせ雷も抱くんだろ? 色情魔が」 「それはないよ。本当に」 あくまで天龍に向かった台詞は、しかし雷を打ち貫く。夕方、気持ちに応えられないと言われたことが思い出され、 それが急に今更になって涙をせりあがらせた。何故という疑問はかなりの痛みを伴って、雷の胸中を浸食し始める。 「オレ知っているんだぜ。普段、あいつとこうやっているだろ」 天龍は意図せずに、彼女を更に追い詰めた。提督の頭が豊かな胸に導かれ、そしてゆったりと埋められる。 右手は頭を優しく撫で、左手は背中に回される。 偶然の挑発的行動は、たしかに雷を怒りで震え上がらせた。役割を奪われたかのような光景に、 彼女は奥歯を噛み締めて拳を強く握りこむ。早く離れろと念じながら、見たくも無いものをしかし見続ける。 自分の居場所の無さに、鬱屈した思いは溜め込まれていったのだった。 ・ ・ どれほど時間が経ったか、ようやく天龍が司令室を去ると雷の感情は爆発した。 我慢や理性といったものは消失し、もはやその波を留めるものはなにもない。 勢いよく扉を開け放ち、ずかずかと机の前に躍り出る。吃驚したまま固まっている提督を他所に、雷は感情のままに言い放った。 「どういうこと!? 説明して!」 「雷? いつから、そこに?」 「ずっとよ! ずっと見ていたんだから。ねぇ説明して」 彼女の剣幕に押されながら、しかし提督は表情を変えなかった。 状況が後から飲み込めると、いつも通りまったく普通の様子で口を開く。そしてその態度は、彼女の怒りをより燃え上がらせた。 「見ていたのなら、まったくその通りだよ。俺は複数の艦娘と関係を持っている」 「そっちじゃないわよ! なんで、私だけ除け者にしているのかって聞いてるの!」 一瞬だけ空いた間の後、提督は首を傾けた。 「除け者になんかした覚えないが」 「したじゃない! 私にだけ……私の気持ちには応えないって」 「君を愛せないと言っただけだ」 「同じじゃないのよ!」 頭を振るたびに涙は飛び散り、足元に見えない跡を残した。悔しさと惨めさの発露であるそれは、留まることなく溢れ出す。 提督は立ち上がり彼女に近づいたが、当然突き飛ばされ距離を置かれる。 しばらくの間雷は泣きじゃくり、そしてそれを提督は眺める事しかできなかった。 泣き声が収まり始め、それでも目元にやった手を除けない彼女に提督はぽつり言葉を吐き始めた。 「お前だけを愛せないわけじゃない。俺は別に不知火も天龍も愛してはいない」 「じゃあ何で抱いてるのよ。私聞いていたから。私のことは絶対に抱かないって聞いてたわ。どうして私だけ……」 再びの沈黙。思考の部分で冷静さを取り戻した雷ではあったが、だからこそ怒りの感情はやまなかった。 理不尽な仕打ちに情けなさを覚え、そしてそのような気分にさせるこのどうしようもない男にあわや殺意さえ抱きそうなのである。 そんな彼女の様子を見て、提督は自身の説明義務を誠実に果たす決意をした。一度息をゆっくり吐き出した後、口を開く。 「昔、加賀が轟沈しかけたことがあった」 語りだした彼の真剣な表情を、雷は見た。視線で続きを促して、落ちる涙を手で拭う。鼻をすすり、黙って彼の言葉に耳を傾けた。 「秘書だったお前の後任に加賀を任命したのは、当時最も不足していた装備が航空機だったからだ。 思い入れとかそういうのはまったく無かったんだが、まぁ相性が良かったんだろうな。接する時間が増えると俺らは随分仲良くなった。 彼女と一緒にいる間は凄く楽しく思えていたんだ。 その気持ちというのが段々恋慕の情に移り変わっていったのを俺は感じていたし、多分向こうも、 俺を慕ってくれた感情に名前をつけたなら、そういったものだったんだろう。お互いにそれを感じていた。 きっとそのまま、下手すれば恋人になってたのかもしれない。 そんな折、彼女が轟沈しかかった。提督という職についたなら、艦娘が沈みかけるなんて何度も経験することだ。 向かっている先は戦地であって、いつも命がけで戦ってもらうわけだからな。ただ当時の俺には初めての経験だったんだ。 身にしみて理解したよ。俺には艦娘を愛する事ができない。明日海の藻屑となって消え去るかもも知れない子に、 いちいち情を感じてなんかいられない。送り出したその姿が最後目にする姿なのかもしれない。 華々しい最期どころか遺体も見ることはできない。恋愛感情なんか抱いたら、もう辛くてこんな職業勤まらないんだよ。 だから、俺はお前の気持ちには応えられない」 「じゃあ、なんで抱いているの。加賀さんも、抱いているんでしょう」 「入渠の終わった後、それでも彼女は俺を求めた。提督の職というのは艦娘に奉仕することだ。 環境だけじゃなくてメンタルも整える必要がある。 もしそれで、明日死にに行くのに少しでも後悔が薄まるなら俺は抱くよ。愛するということ以外なら、俺は何でも彼女達に尽くす。 そういう着地点を俺は見つけたんだ」 間。提督は視線を背けると付け足して言った。 「見損なったろ。お前はもっと見極める目を鍛えるべきだ。俺みたいなダメ男に純情を捧げるもんじゃない」 雷の荒立っていた感情の波は、恐ろしく静かになっていた。後から抱いた気持ちは何なのか。 見損なったかと聞かれると、答えに窮してしまうのだ。 見る目は変わったのだろう。彼の本質、その一部がようやく分かったのだった。清濁含めたそれを見て、抱く気持ちは形容できない。 しかし恋が終端に向かったとは、どうやら言えないようだった。 雷は提督の両肩に手を置くと、思いっきり体重をかけた。突然増大した重力に、堪らず提督は膝をつく。 低くなった頭を彼女は、包み込むように抱きしめた。 「これは、私の役目だから。これだけは他の人にやらせないで」 提督の頭が縦に振れるのを腹に感じ、すると充足感が溢れてくる。たかだかこの程度のことでと随分軽い自分に嫌気もさすが、 しかしそれが恋という物のどうしようもない所であった。いかに相手がダメであっても、いやむしろだから許してしまうという事が、 満足に繋がってしまう。 「どうせこの後天龍お姉さんのとこ行くでしょ」 雷の言葉に提督はまったく無反応だった。それでもいいと彼女は思い、そして更に続けた。 「私はここで待ってるから」 いつか愛しているという言葉を引きずり出す。そういった決意のもとに、彼女は恋慕を再認識したのであった。 後編はこちら
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541 :名無しの紳士提督:2014/10/01(水) 08 24 03 ID 5VM6G0HU とりあえずしょうもないパロネタ思いついたので投下 エロは全くなしです 先に謝っておく、隼鷹ファンのみんなごめんなさい それでは適当にお楽しみ下さい(楽しめるのか?) 542 :名無しの紳士提督:2014/10/01(水) 08 24 47 ID 5VM6G0HU ~麗しくとても可愛いおっさ…お姉さんの生態~ 休日編 太陽も頂点に昇った頃の或る鎮守府。時計の針はそろそろ正午を差そうとしている。 「司令、午前中の執務が終りました。お茶をどうぞ。」 今日も秘書艦の飛鷹はテキパキと業務を片付け終えた。提督は飛鷹の入れた茶を飲みながら、 「飛鷹は仕事が丁寧だな。勤務中でも酒呑んでそうなどこかの誰かさんとは違うな。」 飛鷹が秘書艦になって早一ヶ月、前任艦を遙かに上回る提督の信認を受けていた。その前任艦とはそう、飛鷹型二番艦隼鷹である。 彼女は率先して新任艦の歓迎会をひらいたり、飄々とした性格で艦隊のムードメーカーとしてこの鎮守府の皆に慕われている。だが一つ大きな問題があった。 彼女は鎮守府一のうわばみなのだ。同じ軽空母仲間の千歳に注がれるままに鯨飲した挙句翌日二日酔いで出撃、誤って友軍艦隊に攻撃隊差し向けあわや同士討ちとか、 新任艦歓迎会でよりにもよって幼げな駆逐艦達に一気飲みさせる(尤も受けたのがウォッカ大好き特型酒豪駆逐艦響だけで最悪の事態は避けられたが)、 さらにどういう仕組みか飲み屋や酒屋のツケの催促状が提督名義で届く事態に至って、お前暫く頭冷やせと秘書艦を解任されてしまったのだ。 「ところで飛鷹、今日のキス島方面練成艦隊の艦隊はどうなってる?」 「ええ旗艦龍鳳、千歳、千代田、瑞鳳…」 飛鷹は淡々と読み上げる。艦隊構成はいつも通り間違い無いはずだが… 「うんうん、ってあれ、隼鷹が居ないぞ?確かシフト表では今日だったはずだが。」 提督はうーんと頭を捻って思わずポン!と手を叩く。 「そうだ一昨日瑞鳳が鶴姉妹と映画行くからって代わったんで今日は休みか。あいつフリーの日何してんだろうな。」 「ここ最近一緒に出歩かないのでわかりませんわ。」 「おいおい一応同型艦だろう、偶には気を使ってやれよ。しかし隼鷹の休日か…案外こんなもんじゃないのかなあ?」 ~これより提督の想像~ 11:00 起床。起き掛けにとりあえず冷蔵庫の缶チューハイ(宝レモン)をくいっと一気呑み。これが朝食。 12:00 身支度をし外出。電車に乗る。ポケットから出した昨日のあたりめしゃぶりながら鬼殺し(180ml)を3パックぐらいチューチュー。 12:30 目的地の競輪場へ到着。近くのコンビニでスーパードライとワンカップ大関を買占めてから入口でいつも通り競輪新聞(\450)を買い、入場料(\50)を払い売店目指す隼鷹。 12:35 焼き鳥・もつ煮・おでんをまとめ買い、向かうは当然無料席。隼鷹だっていつかはロイヤルシートに座りたい。 12:40 とりあえず食いながらほんの少し出来上がる隼鷹。「くーっ、やっぱもつ煮はドライだよドライ。」などとわけの分からない独り言。ここまでがテンプレ。 13:05 発券開始。「いっつもアテになんない新聞だな~」と文句言いつつ手堅い目の車券。徐々にメートルの上がるオーラ。焼き鳥とスーパードライの消費がマッハ。 13:30 出走!「いつも通りやってくれよ!」赤鉛筆片手にワンカップ大関すすりながら慌てず騒がず成り行きを見守るが… 13:52 勝負の鐘が鳴った!「いっけぇーー!そこだ差せ!もう一息差せ!差し切れぇぇっーーー!」興奮の余りスーパードライを握りつぶす隼鷹。 13:55 ゴール!「やっぱり1-3だったぜへへん!さーて祝杯だーっ」隼鷹、勝利の美酒に酔う。スーパードライとワンカップ大関のチャンポンとはある意味最低だ。 14:00 待ちに待った払戻。「これでぱーっといけるぜぱーっとな!」中々儲かったようだ。酒がさらに進む進む。レースの合間に千鳥足でつまみ買いにいくのはやばいぞ隼鷹。 17:35 「…もう嫌、このあたしがチョンボなんて…こんなのってないよぉ~」師弟×同期がらみ×最近賞金額順etcの鉄壁ラインのガチ銀行レースに酒の勢いで今日の勝ち分全部ぶっこむも酔いが回ってて張る目間違えた。オケラ確定のお知らせ。 18:00 とぼとぼと競輪場を後にする隼鷹。同じく今日スッた連中とオケラ街道死の行軍(財布の中身的に)引き出せない競輪貯金で一日棒に振るか隼鷹。いや違うこんな所で終る女ではない! 18:20 隼鷹は街外れの喫茶店に入り、無料の紙パックジュースを引っ掴み、ゲーム機に座りいつも通り千円札入れる。そうここは10円ゲーム屋である。憲兵の皆さんここもお仕事のうちですよー取り締まらないと。 19:25 「よっし!これでまた呑める!」設定が甘かったのかツイてたのか、今日の競輪の負けどころか儲かった隼鷹。飲み代を全部ぶっこんだだけの事はある。店員の冷たい視線も気にせず誇らしげに店を後にする。目指すは歓楽街。 20:過ぎ~ とりあえず金と酒の欲求の続く限りハシゴしまくる隼鷹。「今日はあたしの驕りだヒャッハー!」羽振りのよい隼鷹の周りに集まる呑んだくれのおっさん達。「ウチにも呑ませてえな」ん?中には艦娘の姿も? 05:30 チュン、チュン…と雀の鳴き声…歓楽街より「朝日が黄色いなぁ…帰ろう」とねぐらに戻る隼鷹の姿があった。手には店から持ち出したボトルキープの泡盛(どなん60度)が。早速迎え酒かさすがは鎮守府一のうわばみ。 「…とまぁ、こんな具合だろうな飛鷹。」 執務室で一人呟いた提督に飛鷹の様な女性はこう反論した。 「これでは只のアル中年ですわ。それに橿原丸なら今頃ピアノのレッスン中でしょう。」 「う、ううん…!?って何を言ってるんだ飛鷹?」 飛鷹の様な女性、いや船娘は間一髪入れず返す。 「そもそも私は飛鷹などではなく出雲丸という立派な名前の豪華客船ですわ。船主いい加減憶えて下さい!」 提督は訳が解らなくなった。一体どういう事だこれは? そもそも二隻とも客船としては未完成状態で改造された筈。いやそんな事はどうでもいい。 (何で、何で二隻とも客船なんだ…時系列が絶対おかしい、おかしいぞ?何故なんだ…?) 一人問答する提督の意識はここで途絶えた。 …暫く執務室の机に突っ伏していた提督は目覚める。 「うう…仮眠のつもりが寝すぎてしまったようだ。秘書艦の出雲ま…飛鷹も席を外してるようだな。」 コンコン、とドアをノックする音。誰だ入っていいぞ、と提督はドアの向こう側に声をかけた。 「赤城入ります。」 ドシン、ドシンと重厚な足音と共に赤城が執務室へと入ってくる。その足音はまるで戦艦のそれのようだ。 「おお赤城か…って何だその姿は!?と、ところでこの前貸した烈風改はどうした?」 赤城と名乗る艦娘の姿は紛れも無い戦艦そのもの。 16インチ砲塔を背負い多数の14サンチ副砲を生やしている。 「烈風改…知らない子ですね。って、そもそも私は航空母艦ではありません、巡洋戦艦です。」 提督はまたしても一体どういう事なんだ!と自問自答するしか他に道は無かった。 …赤城だって巡洋戦艦として完成する以前に空母に改造されてた筈なのに…もう訳が分からないよ。 困惑で頭が一杯の提督の意識はまたしてもまどろみの中へと消えていった… 「装置の第一段階試験は上手くいったみたいですね。記憶の操作もばっちりです。飛鷹さん一服盛らせてくれてありがとうございます。」 「明石さんもやるねぇ。鹵獲深海棲艦の洗脳装置の実験台に提督を使うなんて普通思いも付かないよ。」 「しっかしあたしの事を只の呑んだくれのおっさんだと思ってたとはねぇ…あたしの乙女ハートでも傷つくって。」 「とはいえ同じ飛鷹型空母としては隼鷹はちょっと呑みすぎですよ。お酒以外の趣味嗜好も持つべきですわ。」 明石の工廠で頭に機材を取り付けられ横たわる提督の姿があった。「橿原丸…出雲丸…赤城…」とうわ言を流しつつ。 隼鷹と飛鷹は興味深げにそれを眺めている。 「まあ今回の件で提督の艦娘への考え方も多少分かりましたし、いいんじゃないですか?」 「そうだねえー、んじゃ明石さん景気付けに一杯行こうぜ!って思ったけど…」 「今日ぐらいは一人前のレディーでいさせてもらうかねぇ、暁が羨むぐらいに。」 明石と飛鷹はふふっと微笑んた。 「確か今日は水交社主宰のダンスパーティーがある筈です。ダンスだけなら提督と一緒に付き合いますわ。」 「おおっいいねえ。久々に踊ってみるのも一興ってか?なにせあたしは豪華客船になる予定だったからねぇ。でも今晩は酒抜きで。」 「技術畑なのでダンスなんて初めてですから、手取り足取り教えてくれるなら行ってもいいかな。」 「私と隼鷹がみっちり仕込んであげますわ。さて提督もう起きなさいよ!」 三隻は起こしたばかりでまだまどろんでいるしゃっきりしない提督と共に社交の舞台へと消えていった。 [完] おまけ 鎮守府に住まう酔っ払い提督はある日思いがけなく二隻の巨乳軽空母隼鷹と千歳にめぐり合う。 それから提督の身の上に奇乳…いや奇妙な出来事が続くのだった。次回『性なる酔っぱらいの伝説』 続かない… これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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ふと思いついた妄想を投下 ※独自設定あり ※本番無し ※俺はエロ妄想しようとしたのに戦闘の方が長かった。な、何を言ってるのか(ry 鎮守府からほど近い海域。遮るものの何もない洋上の太陽は、穏やかな海面に真一文字の航跡を残す一隻の艦影を照らし出す。 影は遠洋マグロ漁船と同じかやや大きいぐらいだが、小さな艦橋に衛星通信アンテナや航海用レーダーに混ざって立ち並ぶ対空、対艦用の各種レーダーや射撃指揮装置、20mmCIWS、 そして何より艦尾ウェルドック上に翻る軍旗が、この船が軍艦であることを示している。 この軍旗の下、薄暗いウェルドック内に6人の艦娘が3人ずつ向かい合って座っている。 艤装をつけたままの彼女らは普段の賑やかさが嘘のように、誰一人口を開かない。 唐突なサイレンが、エンジン音だけが低く響くこの場所の沈黙を破った。 ≪方位260、距離4000、レーダー、ソナーに感あり。数6。反応より1乃至2の空母を認む。全艦出撃用意≫ 続いて聞こえてきた彼女らの司令官の声に、スピーカーに集まっていた12の瞳は2つずつそれぞれの艤装に散ってゆく。 艤装から顔を出した妖精たちとのやり取りは十人十色で、ただそれぞれの艦娘に準備完了の合図を送るだけのものや、 その一方で艦娘の指と円陣を組むものや互いの拳を打ち合わせるものがいるなど、どの艦娘の装備になったかによって性格も変わってくるらしい。 それらが終わり、それぞれの持ち場につくと、今度は艦娘が声を上げる。 「吹雪、準備よし!」 「電、準備よしなのです!」 「若葉、準備よし!」 「龍田、準備いいわよ」 「五十鈴、準備よし!」 「鳥海、準備よしです」 全員の準備が整ったところで、旗艦が据え付けられているマイクを手に取る。 「ドックより艦橋。全艦出撃準備完了です!」 「艦橋了解。ドック開放。全艦出撃!」 その返事と共にガァンと音が響き、薄暗いウェルドック後方の壁が空と海とに変わり、先程までの壁が海面へのスロープとなる。 ≪出撃と同時に単縦陣展開。対空警戒を厳とせよ!……健闘を祈る。生きて帰れ≫ 全員の耳に緊張した声が届くと、鳥海を先頭にした単縦陣が伝えられた方位に向かって一直線に向かっていく。 ≪敵影捕捉。空母1、軽空母1、重巡1、軽巡1、駆逐2≫ 「対空警戒!対空警戒!」 無線の直後、鳥海の妖精が遠くに蚊柱のような影を認めて後続に伝える。 やがて蚊柱は黒い雨雲となり、低いエンジン音の雨が彼女らの頭に降り注ぐ。 回避行動をとる彼女達の航跡が無数の輪を描き、花火のように機銃や高角砲が煌めく。 雨を掻い潜り、または追い散らし、またはそれを浴びながら、無数の輪は少しずつ雨雲の向こうへと近づいていく。 「左舷砲雷撃戦、用意!」 「あはははっ。砲雷撃戦始めるね」 雨が止んだ途端、それまでのうっ憤を晴らすようにそれぞれの主砲が敵艦隊に襲いかかる。 鳥海と龍田の砲弾がヌ級を包み込み、若葉の砲弾がニ級に突き刺さる。 負けじと敵艦隊も応戦するも、1隻、また1隻と動きを止めてゆく。 日が傾き、西の空がオレンジから紫に変わり始めるころ、ついに1発の砲弾がヲ級を捉えた。 それを皮切りにいくつかの方向から次々と命中弾が送り込まれ、ヲ級の姿が爆炎と水柱の向こうへと消える。 その水柱に吸い寄せられるように幾条もの白線が伸びていき、また大きな水柱が上がる。 唐突に轟音が響いた。 同時に一際大きな水柱が上がり、それを囲むように小さな水柱が無数に誕生と消滅を繰り返す。 ≪反応消滅を確認。敵空母撃沈に成功した!繰り返す、敵空母を落とした!≫ 無線の声に艦娘達の歓声が上がる。 最早大勢は決した。 敵艦隊は正規空母、軽空母、駆逐艦2隻を失い、重巡と軽巡は浮いているのがやっとの有様だ。 対する艦娘側は鳥海が小破、電が中破した以外は大きな被害は出ていない。 圧勝である。 まだ創設から日が浅く、空母や戦艦がいないこの艦隊にとってはまさに大金星と言ってよかった。 「素晴らしい戦果だ!皆よくやってくれた!!」 ウェルドックが開くのを待つのももどかしいと言った様子で、若い提督は彼女らに駆け寄った。 「やりました!司令官!!」 晴れやかで充実した笑顔を浮かべ、吹雪が駆け寄る。 近づいた彼女達からすさまじい熱気を提督は感じた。 考えてみれば当然の話で、先程まで砲身が焼け付くまで壮絶な撃ち合いをしていたのだ。 彼女達は皆、赤熱した砲身を空に向け、そこから放たれる陽炎に包まれて滝のような汗をかいている。 吹雪はウェルドック端に置かれていた人数分の高速修復剤ではない、ただのバケツを掴むと外で待つ仲間にバケツリレーで渡していく。 「何やって―」 提督の質問は途切れた。 吹雪が、鳥海が、龍田が、電が、若葉が、五十鈴が、足元の海水を掬って頭からかぶった。 ジュウウという音と共に湯気に包まれた彼女達は、生き返ったというような顔をしているが、驚いたのは若い提督である。 「なっ!?」 艤装と自分自身を冷やすのに効率のいい方法と言うのは分かる。 だが、服を着たままそれをすればどうなるか、提督の眼は、目の前でふるふると犬のように水を払っている吹雪に向いている。 戦闘で水をかぶった所で艤装によってある程度は遮られてはいるが、この様に全身にかかるように被るとなれば話は別だ。 濡れた服は体に貼りつき、成長段階と思われる小ぶりな胸に似合う白いスポーツブラがくっきりと透けている。 「何ですか?」 男の目が自分の裸体に向いていると分からないのか、吹雪は提督の方を見て小首を傾げる。 「いっ、いや、何でもない!」 まさか、言える訳がない。 帰投する船の中、提督は一人悶々としていた。 あの後、ウェルドックに全員が戻ると、そこはとんでもない空間になっていた。 薄暗い密室に、濡れた髪に肌に貼りついた服と言う何とも男を乱れさせる美少女6人。 それも汗に混ざってむせ返るような色香を放っている。 この空間にいておかしくならぬ男はいない。 慌てて艦橋に避難してきた訳だが、ウェルドックとの間には数段の階段と扉一枚しかない。 「うふふ。提督~どうして逃げるんですか~?」 「龍田!?…いや、別に逃げてるわけでは……」 窓に反射した龍田の眼は、面白い玩具を見つけた時のそれだ。 「あら。それなら私をまっすぐ見て~」 提督はちらりと横眼で龍田を見ると、すぐに目を逸らした。 濡れた龍田はその紫の髪が顔に少し貼りつき、濡れた服はその堂々たる胸をしっかりと見せている。 何より本人がそれを理解した上で、胸元を見せつつ上目づかいで覗き込んでいるのだから余計に質が悪い。 「どうして目を逸らすのかしら?」 「良いからむこうに戻っていろ」 「そうねぇ、疲れたしそうしようかしら。でもごめんなさいね提督」 龍田はそう言いながら提督の後ろに回り込み、その顔を提督の横に並べる。 抱きしめるようにその腕が提督の首へと回されている。 「今日みたいな長い戦いの後はああでもしないと暑くて仕方ないのよ。うふふ。それとも暑そうにハァハァしてる私や吹雪ちゃんが見たかったかしら~」 そんな事を甘い声で、かつ耳元で囁かれたら、いかに想像力の乏しい男でも妄想を掻き立ててしまうものだ。 流れる汗、それを拭う白い腕、貼りついた髪の毛と紅潮した頬。 健康的な色香を振りまいて、しかしそれを自覚せずに、荒い息遣いの吹雪がまっすぐに提督の眼を見つめながら小首を傾げる。 「はぁ、はぁ……。なんですか司令官?」 「……ッ!!」 「あらあら~どこを大きくしているのかしら~」 首に回っていた手がゆっくりと滑り落ちていく。 「良いから戻れっ!!命令だ!」 何かを振り払うように立ち上がった提督は龍田を振り返らずにそう言って話を終わらせる。 「は~い。では失礼しますね」 後ろで扉が閉まる音が聞こえる。 こうして、この新人提督は提督の洗礼を受けたのだった。 終 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/